厳しい労働条件だが尽力してくれた…… 「日高屋」創業者がパートやアルバイトに株を2回も贈与する理由:社長にも贈与
「日高屋」を展開するハイデイ日高の創業者が自身の保有する株式の一部を従業員に贈与する。2018年にも贈与しており今回が2回目。正社員だけでなく一定の条件を満たしたパートやアルバイトも対象としている理由は?
大手ラーメンチェーン「日高屋」を展開するハイデイ日高は、創業者である神田正会長が保有する株式の一部を従業員に贈与する準備を進めている。贈与する株式は約20万株で、時価総額は約4億2000万円だ(4月5日現在)。同社の広報担当者によると、6月中の実施を予定しているという。
対象となるのは役員、正社員、条件を満たしたパート・アルバイト従業員で約1100人になる。このうち、パートやアルバイトは約300人を占めており、贈与の条件は「勤続10年以上で週に一定時間働くこと」とする予定だ。
1人当たり100〜400株贈与する。同社の青野敬成社長などが400株の対象者だ。
神田正会長は2018年にも約15万株を贈与している。対象は役員、正社員、パート・アルバイト従業員の800人強。そのうち、パート・アルバイトは100人強で、贈与の条件は「勤続10年以上で週に一定時間働く」だった。広報担当者はこの理由について「長く働いているパート・アルバイト従業員の方がいるからこそ、今のハイデイ日高があります。今までの感謝に加えて、これからも長く一緒に働いていきたいという気持ちを込めて決定しました」と説明する。
当時の発表資料では、贈与の目的を「深夜勤務がある厳しい労働条件にもかかわらず長年にわたり当社発展のために尽力し、共に働いてきた従業員へ感謝の気持ちを具現化するともとに、当社の経営理念を継承し、さらなる発展を希求するため」としている。
株を譲渡されたパート・アルバイトからは「さらにやりがいが出て、ありがたい」といった声が寄せられたという。
ハイデイ日高では、従業員に報いるだけでなく人材確保の観点からも積極的に金銭的な還元をしている。
例えば、2月28日には約860人の社員を対象に5万〜45万円の「特別感謝金」を支給した。4月には正社員のベースアップ(3年連続)と新卒初任給の引き上げを実施。また、パート・アルバイトには定期賞与を毎年1月と7月に支給している。
神田会長は「会社が成長し、利益を社員に還元する『分かち合う資本主義』をこれからも大切にしていきたいと思っています」とコメントしている。
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