日高屋、なぜ中華そば「390円」死守? ほろ酔い「1000円以下」セットとの密接な関係:社長に聞いた(1/2 ページ)
大手ラーメンチェーン「日高屋」の看板メニュー「中華そば」。20年前から390円の価格を維持している。390円という価格は、1000円以下のほろよいセットとも密接な関係がある。
大手ラーメンチェーン「日高屋」が、看板商品「中華そば」(390円)の価格維持にこだわっている。日高屋は2022年に20周年を迎えたが、創業時からずっと390円で提供している。日高屋を展開するハイデイ日高の青野敬成社長にその背景を聞いた。
中華そばには、豚の骨と鶏がらをベースとした秘伝のスープを使用している。特製チャーシューは、厳選した豚肉を圧力釜でやわらかく調理しており、甘みとうまみが口の中に広がるのが特徴。全体として、シンプルなしょうゆラーメンだ。
同社の創業者である神田正会長は、際立った味のラーメンではなく毎日食べても飽きない味にこだわってるとしており、そうした哲学を感じさせる商品となっている(参考:テレビ東京「カンブリア宮殿」)。
日高屋は原材料費、人件費、物流費などの高騰を受け、3月1日に価格改定を実施している。1日の平均食数が5万4000食という「餃子(6個)」を20円値上げして270円に、「野菜たっぷりタンメン」を20円値上げして570円とするなど、全体的に値上げをした。そんな中、中華そばは390円を維持したのだ。
中華そばの1日平均食数は約1万9000食で、ラーメンメニューの中では単品で最も出数が多い。なぜ、ここまで390円にこだわるのか。青野社長によると、大きな狙いの一つに幅広い層にファンになってもらうことがあるという。
例えば、大手ファミリーレストランの「サイゼリヤ」は圧倒的な安さが支持されており、小学生だけのグループでも気軽に利用できる。これと同じように、子どもに「日高屋の390円ラーメンがおいしかった」と記憶してもらえると、その後も継続的な利用が見込めるというわけだ。
もちろん、価格競争力を維持するという面もあるだろう。大手牛丼チェーンはここ数年で相次いで値上げをしており、牛丼並盛の値段は400円を突破している。同じラーメンチェーンである「幸楽苑」は、22年9月に中華そばを50円値上げして490円としている。手軽にお腹を満たしたい場合、390円のラーメンは有力な選択肢になる。
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