部下に嫌われる「自慢話」、代わりに聞きます――森永乳業のシュールなオンラインサービスが面白い:語りたいおじさん達に朗報?(1/2 ページ)
お酒の席で上司から聞かされる自慢話ほど、苦痛なものはない。こうした部下の気持ちを察して、口を閉じてしまったミドル層もいるのではないか。でも、頑張ってきたことを誰かに聞いてほしいと思うのは、自然な感情。そんな思いを受け止めようと、森永乳業がユニークなオンラインサービスを開設した。
お酒の席で上司から聞かされる自慢話ほど、苦痛なものはない。こうした部下の気持ちを察して、口を閉じてしまったミドル層もいるのではないか。でも、頑張ってきたことを誰かに聞いてほしいと思うのは、自然な感情。そんな思いを受け止めようと、森永乳業がユニークなオンラインサービスを始めた。
森永乳業が開発したのは「武勇伝聞いてくれる会議」という無料のWebサービス。コロナ禍で定着したオンラインミーティングを模したもので、聞き役として用意された8人の中から、自慢話を聞いてもらいたい3人を選び、会議に入室する。自慢話や武勇伝を語り始めると、聞き役の3人は嫌な顔をせずうなずいたり、相槌を打ったり、話し手の気分が良くなるようにリアクションを取ってくれる。
実はこのサービス、聞き役たちの映像は事前に録画されたもので、実際に話を聞いているわけではない。だから24時間365日、好きなタイミングで参加できる。もちろん会議中は第三者による視聴や録画は行っていない。
録画された聞き役に向かって自慢話を語るという、何ともシュールな状況だが、なぜこうしたサービスを開発したのだろうか。
「食」と「体験」の掛け合わせ
「新たに開発したおつまみの新商品を知ってもらうためのサービスではありますが、ただ食べてもらうのではなく、『食』と『体験』の掛け合わせで、より気持ちが上がるような時間を提供したいと考えました」
こう話すのはサービス開発を担った森永乳業の担当者だ。
このオンラインサービスは、森永乳業が4月1日に発売したおつまみ商品「クラフト 魚Chee(ウオチー)」シリーズを知ってもらうために開発されたコンテンツだ。
同社は2020年9月からウオチーシリーズの開発をスタートするのに合わせ、顧客調査としてビール好きの40〜50代約20人を対象に、オンライン会議でグループインタビューを実施した。
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