停滞していた「プレミアムフライデー」が復活!? ミニストップや串カツ田中が続々キャンペーン:「5類」に移行(3/3 ページ)
コロナの感染症法上の位置付けが5月8日から「5類」に移行したことを受け、プレミアムフライデーの企画を復活させる企業が続々出てきた。狙いは?
百貨店もイベントを実施
このように、さまざまな企業がコロナ後の集客を目的にイベントを実施する。
ここまでで紹介した例以外では、三越伊勢丹が伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、銀座三越を中心に各店で12日、19日、26日にイベントなどを実施する。
高島屋も日本橋店や新宿店などで12日、19日、26日にイベントなどを実施する。同社は「かつての日常への回帰や、お出かけ需要の高まりを意識した、新たな『プレミアムフライデー』を提案していく」としている。
経産省も期待
プレミアムフライデーは、経産省や経団連が旗振り役となり17年2月にスタートした。月末の金曜日、午後3時を目途に退社を促すことで、働き方改革を後押しする狙いがあった。
時間の余裕を生み出すことで消費を喚起し、デフレ的傾向を変えるきっかけにすることも期待していた。経産省の公式Webサイトでは、「世の中では『安いこと』が強く求められ、商品・サービスの低価格競争が展開されています。質よりも低価格が優先されるなかで、良質な商品・サービスから得られる『幸せ』や『豊かさ』を実感する機会が失われつつあるのです」と問題提起している。また、給料日の後の月末金曜日には平均消費額が高くなる傾向がみられることから、プレミアムフライデーを実施することで、価値のある商品やサービスに対して適切な対価が支払われ、デフレ的傾向を変えるきっかけにしたいとしていた。
では、実際に早期退社をした人はどの程度いたのか。17年2月〜18年1月に、経産省が全国47都道府県の20〜59歳の働く男女約2000人を対象に実施した調査データがある。それによると、早期退社率は11.2%だった(全12回実施された調査の平均)。経産省が別に公表しているデータでは、17年5月におけるプレミアムフライデーの認知度・理解度は87.8%という結果だったので、知られている割にはそこまで浸透していなかったといえるだろう。
また、後に複数のメディアがプレミアムフライデーを振り返って「消費喚起の面ではほとんど効果はなかった」という専門家の意見や、「キャンペーンを実施したが売り上げは伸びなかった」という居酒屋で働く従業員の声を紹介している。結果的には思ったほどの効果が出ていなかったのが実態だろう。
経産省の担当者に今後の展望を聞くと、「コロナ禍の影響でプレミアムフライデーに関する情報発信を控えてきたが、今後は、積極的に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
外食するシーンが増える中で、プレミアムフライデーは勢いを取り戻せるか。
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