コストコさん、うちにも来て! 激化する誘致合戦 出店ラッシュはいつまで続く?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
各地の自治体が、熱心にコストコを誘致している。どういった背景があるのか、各市町村の担当者に聞いた。モテモテ状態はいつまで続くのか。
地震に強そうな亀山を選んだ?
三重県亀山市には、24〜26年にコストコ出店が予定されている。三重県初出店で、隣接する奈良県、滋賀県からの誘客も見込んでいる。東海3県では、愛知県に「コストコ中部空港倉庫店」(常滑市)と「コストコ守山倉庫店」(名古屋市)、岐阜県に「コストコ岐阜羽島倉庫店」が既にオープンしていて、4つ目となる。
22年2月、三重県庁で立地協定が締結された。
場所は東名阪自動車道亀山ICの西側、亀山PAと都市公園が一体となったハイウエイオアシス「亀山サンシャインパーク」の近くで、地域の観光開発の一貫といった位置付けだ。
亀山市は、人口約4万9000人。県庁所在地の津市、鈴鹿サーキットの鈴鹿市に隣接する。東名阪自動車道、伊勢自動車道、新名神高速道路が交わり、国道1号線が市域を横断する、交通の要衝でもある。
店舗面積は1万4500平米、駐車場800台、人材は400人を採用する予定。ガソリンスタンド併設。
亀山市には将来的に、リニア中央新幹線の駅設置が内定している。広域に集客するインフラが整いつつある。
20年ほど前、シャープの液晶テレビの生産拠点として「亀山モデル」で名を馳(は)せた亀山市だが、交通の便利さゆえに立地した面もあった。
コストコは秀逸な場所を選んだのではないだろうか。
「内陸部にあって、地震に強そうだと認識されたのも亀山が選ばれた理由と聞いている」(亀山市役所商工業振興グループ)。津波の心配は要らない。
三重県はイオングループ発祥の地、四日市市がある。そのためイオン王国であるが、亀山市はイオンモールがない空白地帯。隣接する鈴鹿市には県下最大のイオンモールである「イオンモール鈴鹿」、津市には2番目に大きい「イオンモール津南」が立地する。亀山市には、昔からあるショッピングセンター「亀山エコータウン」があるものの、市外に買物客が流れていた。
コストコによって、今度は逆に市外から広域に集客できるチャンスが広がるだろう。亀山市にとっても、コストコはまちづくりに欠かせない重要なインフラと考えられている。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - なぜ女子の半分が泳いでないの? ジェンダーレス水着の開発者が語った“忘れられない光景”
フットマークのジェンダーレス水着が話題になっている。性の悩みだけでなく、さまざまな理由で「肌を隠したい」生徒のニーズに対応するのが狙い。開発者にその背景を聞いた。 - トイレ利用後に買い物しない人が約4割!? ローソンがトイレの扉にアートステッカーを貼った背景
全国のローソン店舗のトイレ付近に、アートステッカーを貼る取り組みを始めた。トイレをいつもきれいに使ってくれる人への感謝を示す。背景にあるコンビニトイレの課題とは? - ファミレスは危機に陥っている!? サイゼリヤとガストで明暗が分かれたワケ
ファミレスの2大巨頭「サイゼリヤ」と「すかいらーくHD」。すかいらーくの主力であるガストが、サイゼと比べて業績面で苦戦している。背景には何が? - なぜ「かつや」に何度も通ってしまうのか 男性客を虜にする「100円割引券」戦略に迫る
とんかつチェーン「かつや」の店舗数が増え続けている。成長してきた理由はいくつもあるが、筆者は「100円割引券」に注目する。その理由とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.