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コストコさん、うちにも来て! 激化する誘致合戦 出店ラッシュはいつまで続く?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)
各地の自治体が、熱心にコストコを誘致している。どういった背景があるのか、各市町村の担当者に聞いた。モテモテ状態はいつまで続くのか。
コストコはモテモテ
このようにコストコは、初期の店舗である千葉市の幕張倉庫店のような例外を除き、イオンモールをはじめとするショッピングセンターとの競合を避け、近年は隣の市町村に出店するようになっている。
近隣よりも広域からの熱烈なファンを対象に、一部の例外を除いて、高速道路IC出口付近の4車線高規格道路沿い、しかも人口が集中する県庁所在地の隣の市町村に出店という共通点がある。
コストコは売っている商品の多くは激安だが、4840円の年会費が要る会員制なので、元を取るため顧客はついつい買い過ぎる傾向がある。
一方、コストコでしか売っていないプライベートブランド商品などもあるので、上手に使えば面白い商業施設だ。ずらり並んだ試食だけでお腹いっぱいになり、食事代わりにもなる。
大規模郊外型ショッピングモールに包囲され、かつ県庁所在地の商圏内にある市町村に、コストコは今後も増え続けるだろうが、自ずと出店に限界がある。一方でコストコの集客力に期待し、誘致に熱心な自治体も多い。引き合いが多くモテモテのコストコは、今や出店地の入れ食い状態で、限界まで突っ走る勢いだ。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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