「高卒の初任給、上げた」57% 来年はどうなる?:待遇改善が進む(1/2 ページ)
ジンジブが発表した調査結果によると、2023年4月入社の高卒社員の初任給について、過半数の企業が賃上げを実施。物価上昇を背景に、高卒採用社員の待遇改善が進んでいるようだ。
高校生の就職・採用支援を手掛けるジンジブ(大阪市)が実施した企業動向調査によると、2023年4月入社の高卒社員の初任給について、過半数の企業が賃上げを実施したことが分かった。物価上昇を背景に、高卒採用社員の待遇改善が進んでいるようだ。
同社は企業の新卒採用担当者を対象に調査を実施。高卒採用を実施しているという回答者に対して、賃金の状況や高卒採用の方針などを尋ねた。
23年4月入社の高卒社員の初任給について、賃上げを「行った」と回答したのは56.7%。「行っていない」は32.1%だった。半数以上が賃上げを実施したという。
また、24年に高卒社員の初任給の賃上げを行う予定があるかを尋ねると、53.5%が「行う予定がある」と回答。「行う予定はない」は12.8%にとどまった。過半数が来年度の初任給の賃上げを予定しているが、「未定」も27.3%を占めたことから、賃上げする企業がさらに多くなる可能性もある。
賃上げの理由については、「物価が上昇しているため」とした回答者が73.0%と大半を占めた。また「高卒採用の応募を増やすため」が49.3%、「最低賃金の引き上げのため」が48.3%、「社員のモチベーション向上のため」が46.0%、「経営戦略としてのベースアップ」が28.9%だった。
物価上昇に加えて、高卒社員の人材確保やモチベーション向上を目的に賃金を引き上げる企業が多いようだ。一方、「最低賃金の引き上げ」という理由も約5割を占めていることから、ジンジブは「高卒求人の賃金水準がまだ最低賃金レベルにある企業が多くあることが見て取れる」と分析している。
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