「一風堂」が同業者とコラボ 新しいラーメンの狙いは? 限界を突破する店づくりの可能性:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
ラーメン店同士、ハンバーガー店同士のコラボ続々。お互いの長所を生かして最強の店をつくろうという動き。直近では博多豚骨ラーメンの「一風堂」としょうゆラーメンの「人類みな麺類」がコラボ。
ウェンディーズ・ファーストキッチンの誕生
「ウェンディーズ・ファーストキッチン」は、米国で1968年に創業した世界第3位のハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」の日本法人と、ハンバーガーチェーンの「ファーストキッチン」(サントリーが1977年に設立)が、2015年に合体して誕生した。ダブルブランドのチェーンである。
今でこそ、「ガスト」と「から好し」や、「松屋」と「マイカリー食堂」など、コロナ禍で営業が厳しくなり、テコ入れのためにダブルブランドで営業しているチェーンは珍しくない。
しかし、8年前は非常に珍しかった。16年にサントリーホールディングスはファーストキッチンの株を、ウェンディーズ・ジャパンに売却。ファーストキッチンも、ウェンディーズ・ジャパンで経営するようになった。
現在、ウェンディーズ・ファーストキッチンの店舗は、全国に53店ある。
15年、六本木にウェンディーズ・ファーストキッチンとしての1号店ができたときは、ハンバーガーはウェンディーズの商品を売り、パスタ、スイーツなどのサイドメニューはファーストキッチンの商品を売る方針でスタート。2号店の上野の店でも、六本木店と同様な相乗効果が認められた。ついにはWブランドとして、基本的にファーストキッチンの店をどんどんリニューアルして、ウェンディーズ・ファーストキッチンが増殖している。
ウェンディーズはダイエー創業者の中内功(正式表記は力→刀)氏が1980年より、日本法人を設立して全国展開。90年代には100店舗を達成した。しかし、ダイエーの経営悪化から、2002年に「すき家」のゼンショーに売却された。そして、09年末にFC契約が任期満了となると、ゼンショーは更新せず、日本の全店が閉店となった。
ところが、熱心な日本のファンから復活を望む声が大きく、2011年に「ドミノ・ピザ」を日本に定着させたアーネスト・M・比嘉氏が代表を務めるヒガ・インダストリーズと米国法人との合弁会社、ウェンディーズ・ジャパンが新たに設立。東京・表参道に復活1号店がオープンしたものの、ハンバーガーは売れてもカフェ利用が進まず、店舗数を増やせないでいた。
一方のファーストキッチンも、全国に135店(17年時点)を有し、全国第4位のチェーンだったが、メインのハンバーガーの売れ行きが芳(かんば)しくなく、ランチのパスタやアイドルタイムのカフェ利用が好調だった。
そこで、両社の強みを生かした同業種コラボを行ったところ、好相性を発揮し、Wブランドチェーンの先駆者として、成長軌道に乗った。
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