「セルフレジにキレる老人」問題どうする? 模索続く大手企業 要注目の「スローレジ」とは:先進事例を紹介(4/6 ページ)
セルフレジやセミセルフレジが急速に普及している。一方で、適応できない利用客の存在も注目される。どうやって解決すればいいのか?
国内大手の導入状況
高齢化社会日本では、このレジ問題を解決しなければ、店を利用する人が減ることも考えられます。小売店はどんなレジシステムを導入していけばいいのでしょうか。
次の表は、米国と日本の代表的なスーパーマーケットやディスカウントストアのレジシステム導入事例をまとめたものです。
これらの企業の取り組みを見て分かったのは、今のところどの企業もレジについては試行錯誤している状況で、何が最適解なのかを見極めているということです。
最新のレジシステムを導入している企業でも、複数のレジシステムを同時活用しています。セルフやセミセルフといったセルフレジと、フルサポートレジのハイブリッド型が今のところの解決策です。
消費者の高齢化、そして視覚障害などでレジを使いづらい方もいることを考えると、全てをセルフにするのは難しいということでしょう。いかに複数の精算方法を並行して用意できるかがポイントです。
増える高齢者
総務省統計局のデータによると、2021年時点で65歳以上の高齢者人口は3640万人で過去最多です。総人口に占める割合も29.1%で過去最高となっています(出所:「統計から見た我が国の高齢者」)。
65〜74歳が14.1%、75歳以上が15.0%です。一方、米国も実は高齢者人口は多いということをご存じでしょうか。同じ資料の「主要国における高齢者人口の割合の比較(2021年)」を見ると、米国の総人口に対する高齢者の割合は17.0%です。
米国の人口は約3億3000万人ですから、高齢者人口は約5600万人いることになります。日本の高齢者人口3640万人をはるかに超える高齢者大国が米国だともいえるのです。ですから米国でもレジ問題は小売業における喫緊の課題で、レジシステムの開発にさまざまな企業が投資をしているのです。
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