テレワークの落とし穴 「サイレントうつ」に対する予防と対策:意識的に休息を(4/6 ページ)
直近のデータを見ると、都内の企業でテレワークを実施しているのは4割ほど。テレワークの整備は今後も進むだろうが、企業や従業員はどのようなことに気をつければいいのだろか。メンタル面でいうと……。
サイレントうつの予防策とビジネスパフォーマンスへの影響
では、企業として「サイレントうつ」を予防するために何ができるのか。その具体例を紹介する。ポイントは「孤独感を覚えさせない組織づくり」「さまざまな施策の中から、メンバーそれぞれに合った方法で心理的安全性を確保する」の2点である。
(1)メンバーが自分から輪に入っていく環境づくり
(例1)オンラインコミュニティをつくる
業務に関するもの、業務外に関するもの(趣味、雑談)についてのサークル活動のようなものをオンライン上に展開することで、業務以外の人間関係を構築でき、心理的安全性の確保にもつながる。趣味などに興味を持つことで、仕事の息抜き、リフレッシュにもなる。
(例2)オンラインイベントの定期的な開催
オンラインイベントは、メンバーがどこにいても参加できるため気軽に参加しやすい。季節ごとのイベント(お花見や忘年会など)や、クライアントを招待したイベントで、メンバー同士はもちろんクライアントとの心理的距離を縮めることが期待できる。また、定期的に全社会議を実施し、社長から直接メンバーにメッセージを届けることで、会社への帰属感・一体感を創出できる。
(2)会社からの働きかけで孤独感をなくす環境づくり
特に新入社員の場合は、オンラインだけだと不安や孤独を抱えやすいため、細やかなサポートが必要だ。
(例1)入社時から当面の間は毎月定期的に1on1を実施
「何が分からないか分からない」「誰に聞いたら良いか分からない」状態をつくらないよう、1on1で心理的安全性を確保しつつ、メンバーの不安を軽減する。
(例2)毎週オンラインチャットでメッセージを発信
重要なお知らせのリマインドや1週間のできごとを発信することで仲間の存在を意識できる。事務連絡だけではなく、絵文字を使いながら語りかけるような口調を意識すると良いだろう。
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