「コメダ珈琲店」グループ1000店舗突破 使いやすい駐車場、高い営業利益率 強固なビジネスモデルに迫る:独自戦略の強み(1/3 ページ)
「コメダ珈琲店」がグループ1000店舗を突破した。どうしてここまで急成長できたのか。広い駐車場、逆詐欺メニューなど、ビジネスモデルを分析する。
7月、コメダ珈琲店を展開するコメダホールディングス(HD)がグループ全体で1000店舗を突破した。コメダ珈琲店といえば名古屋発祥のモーニングや、「シロノワール」をはじめとする写真より実物が大きいデカ盛りメニュー(逆詐欺とも呼ばれる)が特徴的であり「ステルス値上げ」が続く飲食業界において逆を行く存在として消費者を惹(ひ)きつけている。近年、店舗数が増えてきた印象があるが、実は以前より名古屋エリアをおさえており、伸びているのは関東・関西圏のようだ。FC展開を主体とし、コーヒーチェーンの中でも高い利益率を誇る。そんなコメダ珈琲店が成長してきた背景やビジネスモデルについて考察してみた。
関東・関西で伸びたのは2010年以降
コメダ珈琲店は1968年に名古屋市で開業した。名前は創業者の実家が米穀店だったことに由来する。70年からボランタリーチェーン(店舗同士が仕入・在庫などを共同化する形態)として展開し、後にFC展開を始めた。77年にはデニッシュパンの上にソフトクリームが乗った看板商品「シロノワール」の提供を開始した。83年にはFC加盟店向けにコーヒーの製造販売を行う会社を設立し、卸売のような事業を始める。
93年、FC展開を本格化するため株式会社コメダを設立した。FC業態を主軸としながら90年代は中京エリアで店舗数を増やしていき、2000年以降は他エリアへの出店を強化する。03年に関東、06年に関西へ初進出し、07年に東京23区内で初の店舗を構えた。10〜13年に北陸、四国、中国、九州、東北地区へと初進出している。13年には国内500店舗を達成した。
16年には初めて海外(上海)に進出し、東証1部への上場を果たした。ちなみにコメダ珈琲店は13年、日本のPEファンドから引き受ける形でアジア系投資ファンドのMBKパートナーズが買収したが、上場後の17年に売却され、同ファンドは利益をあげている。18年にはグループ全店で国内800店舗を達成した。
店舗数推移を見ていくと、11年度は中京エリアに345店舗を構え、東日本・西日本はそれぞれ57店舗・33店舗しかなかった。23年2月期末時点では中京・東日本・西日本でそれぞれ314店舗・314店舗・322店舗となっており、ここ10年間で全国に進出していることが分かる。他ブランドも展開しているが、ほとんどがコメダ珈琲店だ。ちなみに同期末時点でFC比率は約94%となっている。
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