「コメダ珈琲店」グループ1000店舗突破 使いやすい駐車場、高い営業利益率 強固なビジネスモデルに迫る:独自戦略の強み(3/3 ページ)
「コメダ珈琲店」がグループ1000店舗を突破した。どうしてここまで急成長できたのか。広い駐車場、逆詐欺メニューなど、ビジネスモデルを分析する。
FCメインのためコロナ禍でも営業利益は黒字
飲食大手が軒並み赤字化したコロナ禍でも、コメダ珈琲店を展開するコメダHDの営業利益は黒字を維持している。やはりFC主体という点が強みとして働いている。20年2月期〜23年2月期の業績は次の通りだ(売上収益は売上高にあたる)。
売上収益:312億円→288億円→333億円→378億円
営業利益:79億円→55億円→73億円→80億円
店舗数:896→914→956→987
21年2月期こそ外出自粛の影響が出たものの、既存店売上高は前年比89%と健闘した。都市部ではなくロードサイドという立地形態も売り上げ維持につながったのだろう。22年2月期以降はテレビ番組やSNSでの露出機会増加が集客につながったほか、23年2月期はメニューの値上げを実施し、FC店に対する卸売価格も値上げしたため増収となっている。
首都圏への進出を強化
今後の方針について見ていきたい。コメダHDは中期経営計画「VALUES 2025」において収益性重視の成長を掲げており、22年に実施した値上げはこの一環と考えられる。商品施策に関しては牛カルビ肉のハンバーガー「コメ牛」が話題となったように、期間限定メニューなどを宣伝し集客を図るようだ。
なお、出店方針について首都圏には出店の余地があると日経新聞の取材で社長は語っているため、1200店舗という目標に向けて首都圏を中心に出店するとみられる。特に今年は秋葉原や新橋など都心部での出店が目立つ。都市部ではコメダに行ってみたいけど車が無いから行きにくいという声も聞かれる。コメダの根強い人気がある中、今後は東京での躍進を期待したい。
著者プロフィール
山口伸
化学メーカーの研究開発職/ライター。本業は理系だが趣味で経済関係の本や決算書を読み漁り、副業でお金関連のライターをしている。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー Twitter:@shin_yamaguchi_
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