2040年には1000万人超の労働者が不足! 解決の糸口は? 週休3日制がかなえる新しい働き方を探る:キーパーソンが徹底議論!
週休3日制は日本でも新しい働き方として定着するのか――。ITmedia ビジネスオンライン・ITmedia NEWSが開催するオンラインイベント「Digital Business Days -SaaS EXPO- 2023 Summer」では、スペシャルステージ(全体基調講演)として、週休3日制度を導入している企業のキーパーソンを招き「日本で『週休3日』は当たり前になるのか 導入企業が語る現在地」と題したトークセッションをお届けする。
2022年に英国で行われた週休3日制のトライアルが話題になった。おおむね肯定的な結果が得られているようで、今後広がっていく可能性が十分にあるといえる。一方国内に目を向けると、大手企業を中心に導入意向が発表されたが、大きなムーブメントにはなっていない。しかしコロナ禍を経てリモートワークが普及した今、週休3日制も夢物語ではなくなってきているはずだ。
週休3日制は日本でも新しい働き方として定着するのか――ITmedia ビジネスオンライン/ITmedia NEWSが2023年8月22日から開催するオンラインイベント「Digital Business Days -SaaS EXPO- 2023 Summer」では、スペシャルステージ(全体基調講演)として、週休3日制を導入している企業のキーパーソンを招き「日本で『週休3日』は当たり前になるのか 導入企業が語る現在地」と題したトークセッションをお届けする。
※宮崎知子氏の「崎」は、正しくは“たつさき”
老舗旅館が“年中無休”を廃止 それでも売り上げV字回復のワケ
元湯陣屋 代表取締役 女将 宮崎知子氏。サービス業未経験のまま2009年10月に、倒産の危機にあった鶴巻温泉元湯陣屋の女将に就任。夫・富夫氏とともに業務改善のため、クラウド型ホテルシステム「陣屋コネクト」を独自開発し、ICTを活用したデータ分析とおもてなし向上を実現
大正時代に創業した老舗旅館の陣屋。宮崎氏は、経営難に陥っていた陣屋の立て直しを図るため4代目女将として2009年に着任した。その一環として取り組んだのが業務DXと従業員の働き方改革だ。
陣屋は、旅館業では当たり前になっている365日営業を、2014年に廃し休館日を設定。現在は平日3日間を休館日としている。また、コロナ禍を機に「変形労働時間制」を導入し、これまでの8時間×5日勤務から10時間×4日勤務へと働き方を切り替えた。
このような働き方を実現できた背景には、業務のDX推進があったと宮崎氏。旅館で使うシステムを自社開発し、業務の単純作業や無駄を徹底して削減。業務を効率化し、お客の満足度向上を同時に達成する仕組みを構築した結果、リピーターを増やすことにも成功した。
宮崎氏は「さまざまな改革を進めた上で今の働き方ができている」と胸を張る。老舗旅館の経営を立て直した宮崎氏が語る秘訣とは一体何だろうか。
日本IBMの働き方改革 人事部門に求められる「制限の緩和」とは
作田氏が所属する日本IBMは、週休2日制をも他社に先駆け1972年から導入している企業だ。以降、フレックスタイム制の導入やモバイルワークの整備といった人事施策を展開してきた。
2004年には「短時間勤務制度」を導入。適用対象事由は基本的に「介護・育児などへの対応」に限られていたが、2022年1月から対象事由の制限を撤廃した。その理由について作田氏は「人々のライフスタイルが多様化する中で、従来の働き方では全てを吸収できなくなってきた。今までは『フルタイムで働くか退職するか』の二者択一になっていたが、第三の選択肢を提示する必要があった」と語る。
そんな作田氏が強調するのが人事部門に必要なマインドだ。週休3日制がニューノーマルな働き方になるかという問いに対し「個人的には考え方が少し異なる」と強調する。
「最適な働き方は業種や職種、個人によって異なる。これからの社会では(何がニューノーマルということではなく)それぞれが自分に合った働き方を選択できるようになってほしい。そのために企業側に求められることは、新しい制度を導入するのではなく、既存の制度や制限を撤廃していくことではないか」(作田氏)
そのうえで作田氏が提言する内容とは。ぜひトークセッションを確認してほしい。
労働環境はこれからどうなる?
リクルートワークス研究所の試算では、日本の労働力人口はさらに減少を続け、2030年に約341万人、2040年には約1100万人が不足するといわれている。リクルートの藤井薫氏は、このような結果を踏まえたうえで「少ない人数でどう生産性を上げるかが重要になる」と指摘する。
「日本は将来的に社会インフラを維持できなくなる可能性があるほど危機的状況といえる。この中でどう無駄を省き、一人一人の力をどう発揮していくか日本全体で考えることが大事」(藤井氏)
リクルート 藤井薫氏(HR統括編集長/『リクナビNEXT』編集長)。1988年リクルート入社以来、人材事業のメディアプロデュースに従事。TECH B-ing編集長、Tech総研編集長、アントレ編集長、リクルートワークス研究所Works編集部を歴任。リクルート経営コンピタンス研究所兼務。デジタルハリウッド大学/明星大学非常勤講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授、千葉大学客員教員。厚生労働省・採用関連調査研究会の委員歴任
本トークセッションでは各社の事例を踏まえ、この課題を週休3日制といった働き方改革がどう解決できるか、今企業に求められる本当に必要な考え方を議論していく。ぜひ事前登録の上、セミナーをチェックしてほしい。多くの企業に当てはまる働き方の答えが見つかるはずだ。
また、もう一つのスペシャルステージには、トレンドが続く「ChatGPT」をテーマに東京大学 大学院工学系研究科 松尾豊教授とTHE GUILD 代表取締役 深津貴之氏の対談も予定している。これら全講演は会期中いつでも視聴できる。
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