【前編】明石ガクトに聞くTikTok売れの法則 ショート動画がもたらしたマーケティングの新潮流(1/2 ページ)
インターネット、特にSNSはもはや社会インフラだが、その舞台で求められるマーケティング視点として昨今キーワードになっているのが「コミュニティー」「熱量」だ。マーケターはこの潮流を前に、つながりをどう生かし、熱をつくり出せばいいのか? 動画界のカリスマ、明石ガクト氏と余頃沙貴氏に問う動画マーケティングの最前線(前編)。
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マーケティングの主戦場がマスメディアからWebメディア、ソーシャルメディアへ移行してしばらくたつ。インターネット、特にSNSはもはや社会インフラだが、その舞台で求められるマーケティング視点として昨今キーワードになっているのが「コミュニティー(コミュニケーション)」「熱量(エンゲージメント)」だ。
SNSは個人的なものであると同時に、つながりを主目的としたツールである。つながり合い、情報を共有し合うことでコミュニティーが生まれ、熱量が生まれ、購買に至る。マーケターはこの潮流を前に、つながりをどう生かし、熱をつくり出せばいいのか? 著書『動画2.0』(幻冬舎)、『動画大全』(SBクリエイティブ)で知られる動画界のカリスマ、明石ガクト氏(ワンメディア代表)と、同社で取締役を務める余頃沙貴氏に動画マーケティングの現在地と成功の秘訣を取材した。
【後編】明石ガクトに聞くTikTok売れの法則 認知施策は不要、「興味からズドン」で購買へ至るカラクリ
TikTokにYouTube "動画のショート化"で訪れた「動画3.0」時代
数あるSNSの中でも、トレンドの発信源としてひときわアツイ熱を発し続けている場所といえばTikTokだ。TikTokはショート動画を作成、投稿できるSNSだが、ここまでユーザー数が爆発的に増加している背景には何があるのか。
明石氏は、YouTubeを動画2.0、TikTokを動画3.0と表現し「動画2.0から3.0の変化はいくつかあるが、大きな違いは『動画がショート化、短尺化した』という一言に尽きる」と話す。
「『なんだそんなことか』と思う人もいるかもしれませんが、この変化はいろいろな影響をはらんでいます。例えば動画を作るというフェーズで考えてみます。当然ですが、動画や映像は尺が長く大きなスクリーンになるほど制作労力が増します。スマートフォンで見る、かつ尺が短い動画というだけで作るハードルがめちゃくちゃ下がるということですね。高価な機材もいらない、編集ソフトも使わないからスキルも不要で、特別な投資をせず参加できるようになった。動画制作を民主化したのはYouTubeであり、動画2.0の時代からですが、そこからさらに参入障壁を大幅に下げたのはTikTok、動画3.0の時代です」(明石氏)
動画2.0→動画3.0がもたらした影響は以下の通り。発信の担い手が制作会社(企業)から個人クリエイターになったことで、スタジオ撮影から自宅撮影といった制作の簡素化が進み参入障壁が下がったほか、ユーザーに重視される要素もオーソリティー(信頼性や権威性)からフレンドリー(親しみやすさ)へとシフトした。明石氏が代表を務めるワンメディアでは、動画マーケティングを軸に多数の企業のPR活動を手掛けているが、このような潮流を受けて「スタジオ付きのオフィスはもう手放した」(明石氏)という。
爆発的な“TikTok売れ” コミュニティーが持つ影響力のすさまじさ
明石氏は「動画3.0の時代が訪れた今、企業の真の競合は他社ではなくクリエイターである」という。なぜだろうか。
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