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中国製BEVは今後どうなるか 避けられない現実池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/6 ページ)

深刻なバブル崩壊を迎えている中国では、2022年にBEVへの補助金が終了した。今後BEVを生産するメーカーの行方は。

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かつて欧州で無数に誕生した「バブルカー」

 第2次大戦後に欧州では無数の「バブルカー」が誕生した。バブル経済のバブルではなく、その多くがバブルのように見えるキャノピーを持っていたためそう呼ばれる、小さくプリミティブなクルマを指す。

 例えばイソやBMWの「イセッタ」であるとか、メッサーシュミットの「KR200」、ツェンダップの「ヤヌス」、日本でいえば富士自動車の「フジキャビン」のようなクルマである。戦後の混乱期が収束するのと並行して、これらは例外なく消えていった。


BMWのイセッタ(1955〜59年)は、ドイツのBMW社がイタリアのISO(イソ)のライセンスを受けて生産していたマイクロカー

メッサーシュミットのKR200(1955〜64年)は、2サイクル191ccのユニットを搭載したドイツのバブルカー。53年にKR175としてデビューし、55年にKR200へと排気量の増強を受けた

富士自動車のフジキャビン(1956〜57年)は軽自動車模索期に欧州のバブルカーを参考に作られたと思われる国産バブルカー。少数が生産されたのみで撤退(画像出典:Wikipedia)

 新しい例で言えば、インドのタタがリリースし、28万円という圧倒的安価で世界を驚愕(きょうがく)させた「ナノ」も前評判に全くそぐわない戦果に終わった。


ナノ(画像出典:Wikipedia)

 このナノが登場したときも日本の大手マスコミは、「新興国の脅威」と散々騒ぎ立てたが、結局見立て違いもいいところだったわけである。そしてどの時代にもこういう「日本はもうダメ」という話に乗っかる人々が大勢出てくる。まあそれは避け難い話でもあるのだ。

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