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なぜ人は「激安タイヤ」を買うのか アジアンタイヤの存在感が高まるリスク高根英幸 「クルマのミライ」(1/7 ページ)

アジアンタイヤが日本で存在感を増している。大きな理由として「安い」ことが挙げられる。しかし、本当にそれでいいのかというと……。

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 日本で存在感を増しているカー用品としてアジアンタイヤがある。これは日本以外のアジア圏内にあるタイヤメーカーの製品の総称のようなものだ。

 世界のタイヤ販売量では、ミシュランやブリヂストンなど先進国のタイヤメーカーが大部分を占め、クムホやハンコックといった韓国では老舗のタイヤメーカーが上位10社に食い込む程度だ。だが、カー用品店の店頭ではアジアンタイヤが前面に置かれ、いかにも客寄せの人気商品というポジションになりつつある。

 アジアンタイヤの特徴を端的に言い表すのであれば、「安い」ということだ。日本や欧米先進国のタイヤメーカーの製品と比べ、同じタイヤサイズであれば驚くほど安い。タイヤサイズによって変わるが、概ね4分の1から半額といったところだ。


タイヤ販売の現場では、タイヤサイズと価格がとかく注目されがちだ。しかしタイヤの価格を決めるのは人件費や原材料の調達コストなどだけではない

 それにしても、なぜこんなに安いのか。その理由を深く考える人はそれほど多くないのかもしれない。というのも、考えれば不安で購入を躊躇(ちゅうちょ)してしまうユーザーは増えるかもしれないが、現実には激安タイヤは売れ続けているのだから。

 「これまでのタイヤで問題ないのだから大丈夫だろう」という根拠の薄い考えで判断しているのであれば、それはかなり危険なことである。そこで、今回はタイヤについて少々語らせていただきたい。

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