連載
なぜ人は「激安タイヤ」を買うのか アジアンタイヤの存在感が高まるリスク:高根英幸 「クルマのミライ」(1/7 ページ)
アジアンタイヤが日本で存在感を増している。大きな理由として「安い」ことが挙げられる。しかし、本当にそれでいいのかというと……。
日本で存在感を増しているカー用品としてアジアンタイヤがある。これは日本以外のアジア圏内にあるタイヤメーカーの製品の総称のようなものだ。
世界のタイヤ販売量では、ミシュランやブリヂストンなど先進国のタイヤメーカーが大部分を占め、クムホやハンコックといった韓国では老舗のタイヤメーカーが上位10社に食い込む程度だ。だが、カー用品店の店頭ではアジアンタイヤが前面に置かれ、いかにも客寄せの人気商品というポジションになりつつある。
アジアンタイヤの特徴を端的に言い表すのであれば、「安い」ということだ。日本や欧米先進国のタイヤメーカーの製品と比べ、同じタイヤサイズであれば驚くほど安い。タイヤサイズによって変わるが、概ね4分の1から半額といったところだ。
それにしても、なぜこんなに安いのか。その理由を深く考える人はそれほど多くないのかもしれない。というのも、考えれば不安で購入を躊躇(ちゅうちょ)してしまうユーザーは増えるかもしれないが、現実には激安タイヤは売れ続けているのだから。
「これまでのタイヤで問題ないのだから大丈夫だろう」という根拠の薄い考えで判断しているのであれば、それはかなり危険なことである。そこで、今回はタイヤについて少々語らせていただきたい。
関連記事
- なぜSUVは売れているのか 「しばらく人気が続く」これだけの理由
街中でSUVをよく見かけるようになった。各社からさまざまなクルマが登場しているが、なぜ人気を集めているのだろうか。EV全盛時代になっても、SUV人気は続くのだろうか。 - トヨタ新型「クラウン・スポーツ」の仕上がりと戦略
トヨタが新型「クラウン・スポーツ」のプロトタイプ試乗会を開催した。乗車して分かった新型「クラウン・スポーツ」の狙いとは。 - なぜヘッドライトがまぶしく感じるクルマが増えているのか
夜間、クルマを走らせていて、対向車や後続車のヘッドライトがまぶしく感じることがある。その原因はどこにあるのか。大きくわけて3つあって……。 - マツダCX-60は3.3Lもあるのに、なぜ驚異の燃費を叩き出すのか
マツダCX-60の販売状況が、なかなか好調のようだ。人気が高いのはディーゼルのマイルドハイブリッドと純ディーゼルで、どちらも3.3Lの直列6気筒エンジンを搭載している。それにしても、3.3Lもあるのに、なぜ燃費がよいのだろうか。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.