マツダCX-60は3.3Lもあるのに、なぜ驚異の燃費を叩き出すのか:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
マツダCX-60の販売状況が、なかなか好調のようだ。人気が高いのはディーゼルのマイルドハイブリッドと純ディーゼルで、どちらも3.3Lの直列6気筒エンジンを搭載している。それにしても、3.3Lもあるのに、なぜ燃費がよいのだろうか。
マツダCX-60の販売状況は、なかなか好調なようだ。LクラスSUVとしては割安な価格帯から用意されているが、人気が高いのはディーゼルのマイルドハイブリッドと純ディーゼルで、どちらも3.3Lの直列6気筒エンジンを搭載している。
ネット上では、なぜ3.3Lもの大排気量なのか、自動車媒体の記事や個人ブログなどで懐疑的な見方がうかがえる。ダウンサイジング、ライトサイジングと小排気量へと向かってきたエンジン開発のトレンドとは真逆の方向に見えるから、それも当然のことだろう。
エンジンを生き永らえさせるためには、少しでも排気量を小さくして小型軽量、排気量を小さくすることが効率を高めると信じられてきた。だが排気量=エンジン容積という固定概念に縛られるのは、そろそろ解消しておきたいところだ。
排気量が大きい=排気ガスをたくさん出すエンジンというイメージを抱く人も少なくないだろう。しかしそれはいささか古い時代のエンジンでの話だ。
例えばターボチャージャーだ。排気ガスの圧力を利用して、エンジンが吸入する空気を圧縮して送り込む過給器は、エンジンが自ら吸い込む空気よりもはるかに大量の空気をシリンダー内に押し込む。つまりシリンダー容積よりも排気ガスの量は多くなることになる。
だから必要なときには大量の空気を押し込んで、強力なパワーを得てクルマを加速させるのは、非常に合理的なものだ。ただし、そこには排気量の概念では矛盾する要素があることに気付くべきだろう。過給している時点で排気量=エンジン容積ではなく、容積よりも大量の排気ガスを排出することになる。
それとは逆にEGR(排気ガス再循環システム)という仕組みもエンジンには導入されている。これは排気ガスという一度燃焼したガスを再びエンジンに取り込むことによって、不活性ガスとしてシリンダー内に存在させることにより、排気ガスを排出させず再度吸入させる&そのぶんシリンダー内の空気量を減らすことになる。この2つの要素で排出する排気ガスを削減させているのだ。
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