次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/8 ページ)
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。それに伴い、「次はこちらに」とばかりに誘致運動が活発になってきた。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。
2022年の鉄道界隈にとって、大きな話題のひとつが「西九州新幹線」の開業だ。博多〜佐賀〜長崎間と定められた「整備新幹線」のうち、武雄温泉〜長崎間が22年秋に開業する。フル規格標準軌の新幹線で、車両はJR東海が開発した「N700S」6両編成4本を投入する。
部分開業のため、福岡〜長崎間の現行特急「かもめ」と比較して所要時間短縮は30分程度にとどまり、武雄温泉駅で乗り換えが必要となる。運賃も上がる。
鳥栖〜武雄温泉間は佐賀県が難色を示しており、しばらくは長崎と佐賀県の温泉街を結ぶ「温泉超特急」になりそうだ。それもいいじゃないか。私のような乗り鉄にとっても開業は喜ばしい。
JR九州は西九州新幹線開業に合わせて観光列車「ふたつ星4047」の運行を開始する。運行区間は西九州新幹線と同じ武雄温泉〜長崎間で、新幹線の両側の在来線を巡る。午前は武雄温泉発長崎行き、長崎本線経由で有明海を望む。午後は長崎発武雄温泉行き、大村線経由で大村湾を望む。新幹線は山の中のトンネルばかりだから、景色を楽しむ人は観光列車に乗るのかもしれない。
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