ベックスコーヒーに「月27.7回」も! JR東日本のサブスクは、どのように使われたのか:「実証実験」の結果(1/4 ページ)
7月から8月にかけて、JR東日本がサブスクを展開していた。カフェを利用できたり、そばのトッピングができたり、シェアオフィスを使えたり。結果、消費者はどのように使っていたのだろうか。データを見ると、おもしろい結果がでていて……。
子どものころ大人の姿を見て、疑問を感じていたことが2つある。1つは、コーヒーを飲んでいること。「黒い液体=苦い」と感じていたので、「ミルクや砂糖を入れずに飲むなんてあり得ない」と思っていた。もう1つは、朝からそば(うどんも)を食べること。そばが苦手というわけではなく、「朝からズルズルと食べるなんて、信じられない」と感じていた。
が、しかしである。大人になり過ぎたいまは、どちらも大好きである。コーヒーは1日に何杯も飲むし、かき揚げそばは大好物である(特に、二日酔いの朝は最高である)。毎日のように利用している人であれば「回数券ではなく、定期券のようなサービスがほしいなあ」と思ったことがあるかもしれないが、そんなニーズを満たす“定額制”が登場し、人気を集めていたのだ(現在は終了)。
サービス名は「JREパスポート」。東日本旅客鉄道(JR東日本)、JR東日本クロスステーション、favyの3社が協同で、Suicaの通勤定期を持っている人を対象に、コーヒーやそばのトッピングなどを利用できるサブスクの“実証実験”を始めたのだ。期間は7月6日から8月31日まで。
対象となるのは、上野、秋葉原、八王子の3駅。どんなサービスを提供していたのかというと、カフェ「BECK'S COFFEE SHOP」(以下、ベックスコーヒー)で会員証を提示すると、ブレンドコーヒー(Mサイズ、通常300円)が出てくる。1日3回まで利用できて、月額2500円。「ということは、9杯飲めばモトがとれるのね」と計算された人も多いのでは。ちなみに、マイボトルを持参するタイプは月額1500円。6杯飲めば、モトがとれることになる。
このほかにも、そば屋「いろり庵きらく」では注文時にトッピング1品を無料で提供したり(1日1回まで、月額1000円)、シェアオフィス「STATION BOOTH」を2時間利用できるようにしたり(月8回まで、月額6400円。他のサービスもあり)。
サービス内容を紹介すると、「ちょっと大盤振る舞いじゃないの? もうからないのでは?」と心配されたかもしれないが、そこは大丈夫。ビジネスとしてきちんと利益がでるようにしていて、「使えば使うほど、赤字が膨らむような設計にはしていません」(JR東日本の担当者)とのこと。
関連記事
- キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。 - スーパーでよく聞く「ポポーポポポポ」の“ミニ”が完売! 開発秘話を担当者に聞いた
スーパーで「ポポーポポポポ」のメロディーをよく耳にする。あの音を流しているのは「呼び込み君」というアイテムで、群馬電機が開発している。このたび「呼び込み君」のミニトイが登場して、予約数が殺到しているのだ。開発を手掛けた青島文化教材社の担当者に、裏話などを聞いたところ……。 - トイレの個室に「使用時間」を表示 で、どうなったのか?
首都圏のオフィスで、ある「実証実験」が行われた。トイレの個室に「他の個室の使用状況」と「滞在時間」を表示したところ、どういった効果があったのだろうか。システム開発を手掛けているバカン社の河野社長に話を聞いたところ……。 - 表参道に「IoTゴミ箱」を設置して1年、ゴミはどうなったのか
2020年10月、表参道の歩道に「IoTゴミ箱」が登場した。あまり聞きなれない「IoTゴミ箱」とは、どんな特徴があるのか。また、1年ほど運用してみて、どのようなことが分かってきたのだろうか。 - 発売前に現行モデルの5倍! パナの電動工具が売れに売れている理由
パナソニック ライフソリューションズ社の電動工具が売れている。新ブランド「エグゼナ」を立ち上げて、フラッグシップモデル「Pシリーズ」を発売したところ、販売目標を大きく上回る結果に。売れている理由を取材したところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.