ベックスコーヒーに「月27.7回」も! JR東日本のサブスクは、どのように使われたのか:「実証実験」の結果(2/4 ページ)
7月から8月にかけて、JR東日本がサブスクを展開していた。カフェを利用できたり、そばのトッピングができたり、シェアオフィスを使えたり。結果、消費者はどのように使っていたのだろうか。データを見ると、おもしろい結果がでていて……。
カフェの利用回数にびっくり
3つの駅で、カフェ、そば、シェアオフィス――。定額制で利用できるようにしたわけだが、筆者が気になったのはベックスコーヒーのコーヒーである。最大、月に93杯(1日3杯×31日)飲めることができるが、利用者は何杯飲んだのだろうか。
「平日1杯飲むとして、20杯くらいかな」と思っていたが、カフェ利用は月平均27.7回だったのだ。ほぼ1日1杯の数字である。ベックスコーヒーを利用している上位10%のお客は月平均7回らしいので、サブスクの効果が出ていることがうかがえた。
新型コロナの感染が広がるにつれて、テレワークを導入する企業も増えていった。となると、定期券が不要になる。鉄道を利用しなくなって、駅にも近づかなくなる。しかし、27.7回の数字を見ると、駅に「戻す」ことに一役買ったようである。ちなみに、最も利用した人は月87回だったそうだ。
次に気になったのは、利用した曜日である。一週間で最も利用が多かったのは「月曜日」だった。ま、これはなんとなく分かる。休み明けの月曜日の朝、ビジネスモードに切り替えるためにコーヒーを飲む人が多かったのだろう。
火曜日から木曜日までの利用回数はほぼ横ばいで推移して、金曜日に減って、土曜日も減る。しかし、である。日曜日になると利用回数が増えて、その数は金曜日を上回っていたのだ。この動きについて、JREパスポートの担当者はどのように見ているのだろうか。
JR東日本の市原康史さんに聞いたところ「通勤客をターゲットにしているので、土日曜日の利用は少ないかなと思っていました。しかし、それほど減っていないというか、日曜日は金曜日よりも多い。休みの日に駅まで足を運んでいただいて、コーヒーを楽しまれた。いわゆる“サードスペース”として利用された人が多かったのでは」と分析している。
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