「リモートを推奨」または「対面が大好き」、部下がやる気になる上司はどっち?:やる気を上げたい(1/2 ページ)
今の世の中なら、「リモートを推奨する上司」のほうが自由な働き方に理解があると思われるかもしれない。しかし「部下のやる気を上げる」という観点でみると……。
今の世の中なら、「リモートを推奨する上司」のほうが自由な働き方に理解がある、話の分かる上司だと思うかもしれません。しかし、「部下のやる気を上げる」という観点でみると評価は逆転します。
私たちの脳には「対人コミュニケーション」を好む傾向があるため、「対面が好きな上司」のほうが部下のやる気を上げる……といえるのです。
そもそも哺乳類である人間は、成体になるまで親に育ててもらう必要があります。哺乳類以前の爬虫類の子どもは、基本的に生まれた瞬間から自分の力で生きていきますが、哺乳類の子どもは親に育ててもらわなければ生きいけないため、とくに母親とよりよい関係を築く必要があります。
人間の場合、よく笑い、母親と上手にコミュニケーションを取れる子どもは、より多くの栄養を手にすることができるため、兄弟間の生存競争で優位に立つと考えられます。
哺乳類は、コミュニケーションが得意な個体が生き残るように進化してきたというわけです。
こうした哺乳類の特徴は、「ミラーニューロン」の発達からも見て取れます。ミラーニューロンというのは相手の表情や動き、クセなどを真似する脳の神経細胞です。
相手が笑ったら、こちらも笑う。泣いているのを見たら悲しくなる。いわばお互いの共感性を支えているのが、ミラーニューロンです。
人間は哺乳類として進化する過程で社会性を身につけ、人から承認されると喜びを感じ、やる気が増すように進化してきました。つまり、対面でのコミュニケーションを重視することは人間の脳の仕組みに適っているのです。
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