2015年7月27日以前の記事
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部署のエースから、突然の退職交渉……なんとか引き止めたいが、どうすれば?Q&A Z世代部下のマネジメント法

部署のエースから、突然の退職交渉を受けました。なんとかして引き止めたいのですが、どうすればいいでしょうか?

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Q&A Z世代部下のマネジメント法

 マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。


Q: 部署のエースから、突然の退職交渉を受けました。なんとかして引き止めたいのですが、どうすればいいでしょうか?

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チームのエースからの退職交渉 なんとか引き止めたいがどうすれば?(画像はイメージ、提供:提供:ゲッティイメージズ)

A: 会社への誤解がないか確認し、事実として伝えられる部分を探しましょう。そして、転職の決断を保留させる着地に持っていくとよいでしょう。

成功確率は低いが、できることがあるとすれば……

 残念ながら、退職の相談を受けた時点で、意思が固まっている場合が多いです。決断を覆せる確率はまず2〜3割程度と考えましょう。

 その上で、基本的なこととして「なぜ転職をしたいのか」をあらためて確認していきます。

 部下がどのような軸で仕事を探し直したいと考えているのか、具体的に転職先候補としてどのような会社を見ていて選考は進んでいるのか、そして自社のことをどのように捉えているのか。この3点を交えながら、部下が思い込んでしまっていることや決めつけていること、会社への誤解がないか、また、事実として伝えられる部分はないかを探っていきます。

 実践的には「自社がベストである」という結論を着地点にするよりも、「本当に今転職すべきなのか分からなくなる」「他社に行って本当に目指していることが実現できるか自信が持てなくなる」といった、本人の軸が揺れる状態を着地点として目指すことをおすすめします。つまり「転職をする」という決断そのものを保留させるアプローチです。

 このようなコミュニケーションを取るためには、「よりよい選択・決断を応援したいと考えている」と味方の姿勢を示すことがとても重要です。

絶対にやってはいけないこと

 この際に、絶対に避けるべきネガティブな行動は「他社を批判すること」です。

 それは、部下の決断や考えを否定することと同義になりかねず、逆に退職への思いを強化させてしまう可能性があります。また、そうした行動によって関係性に亀裂が生じた場合、部下が最終的に組織に残ることを選んだとしても、後々良好な関係性を築いていくことが難しくなってしまいます。関係性は続いていくものだ、と意識することが大切です。

話を聞いた人:荒金 泰史(あらがね・やすし)

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リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員 

入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。

書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)

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