「ご飯お替わり自由」に続け! やよい軒「無限クーポン」「牛肉フェア」の狙いを探る:大戸屋との違いは?(2/3 ページ)
「ご飯お替わり無料」が有名なやよい軒。運営元のプレナスが上場廃止したことも話題となった。昨今では成長に頭打ちを迎えた感もあるが、今後の成長余地はどこにあるのだろうか。大戸屋との違いも交えながら、解説していく。
「ご飯お替わり自由」を堅持するやよい軒
ここからは、やよい軒のメニューについて見ていこう。
メニューはラインアップが豊富で丼ものや麺類もあるものの、基本は定食だ。生姜焼きや焼き魚、ハンバーグなど幅広い種類の定食がそろっている。定食はおかずに味噌汁、小鉢の豆腐などがついて概ね700〜1000円前後である。
そして何といっても、ご飯のお替わり自由のサービスがやよい軒の魅力だろう。好きな定食チェーンを聞いたランキングでは、ご飯のサービスが理由で1位を獲得することも多い。漬けものや「だし」の無料提供もしており、男性を中心に一定額で多く食べたい客にとってはうれしいサービスといえる。実際に、テークアウトサービスを開始する20年までは店内で飲食する客の7割が男性だった。
以前はご飯を大釜から自分でよそう形式だったが、20年にロボットを導入。ドリンクバーのように茶碗を設置して、ボタンを押すことで指定量のご飯が落ちてくるシステムを採用している。お替わりの“自動化”はコストの削減ではなく、新型コロナウイルスの感染拡大防止が主な目的のようだ。
コロナ禍で厳しい状況にもかかわらず、珍しい方式を導入してでも維持していることから考えると、やはり「ご飯のお替わり自由」は集客手段として欠かせないのだろう。かつて試験的に有料化したものの、反発を招いた経緯があることもトラウマになっているかもしれない。おかずに関してはセントラルキッチン方式を導入しており、仕上げの部分を店舗で調理している。味は「普通」と評されることも多く、質よりも量や安定性を求める客を狙っているようだ。
大戸屋も定食中心な点は同様
同じ定食チェーンとして引き合いによく出される大戸屋の特徴も見てみよう。大戸屋も唐揚げやチキン南蛮、焼き魚など幅広い定食を提供している点はやよい軒に似ている。
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