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シャトレーゼ、1泊3食付の体感ツアーに応募者殺到 大好評だった「アイス食べ放題」をやめた深いワケ当選倍率は数十倍(3/3 ページ)

シャトレーゼはかつて「アイス食べ放題」が売りの工場見学会を実施していた。しかし、近年は参加者を絞った体感ツアーに注力している。その背景にある戦略とは?

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アイス食べ放題から転換

 シャトレーゼでは、13年前から白州工場での見学会を実施していた。アイスの食べ放題が売りで、1年間で33万人が訪問することもあったという。

 当時は1人で何本もアイスを食べて、そのまま別の目的地に移動するというケースも多かったが、アイスのサンプリングの場だと割り切っていた。また、アイス食べ放題が旅行雑誌などのメディアに取り上げられることで、ブランドの認知度向上に役立つというメリットもあった。

 本来伝えたかったのは「なぜおいしいのか」「なぜ安いのか」ということだ。しかし「シャトレーゼは太っ腹だ」「シャトレーゼのアイスがおいしかった」ということだけが強く印象に残っているのではないかとも考えるようになった。

 そうした中、新型コロナウイルスの感染拡大により工場見学を20年に休止するに至った。

 シャトレーゼが展開する店舗数も増え、出店エリアも拡大していった。認知度向上を図るステージから脱却し、熱狂的なファンをつくることが今後重要になると考え、1泊2日のツアーを企画することになったという。

 同社ではツアー後にアンケートを実施しているが、ほとんどの人が最高得点を付けているという。自由記述欄には「シャトレーゼを好きになった」「スタッフの対応がよかった」といった声もあることから、グループ全体で取り組んでいる成果が出ていると感じている。

 募集枠に対して応募数が常に上回っている状況なので、ツアーの質を保ちながら回数をいかに増やしていくかが今後の課題だ。双方向性を重要視しているので、参加人数を40人から増やすことは難しいという。

 方向性としては、日帰りツアーの回数を増やしたり、大人向けのツアーを拡充したりといったことを想定している。

 シャトレーゼは独自ツアーを通して今後、どれほどの熱狂的なファンを増やしていけるだろうか。


地場産業とシャトレーゼがコラボした商品もツアーでは触れるようにしている

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