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「高額プラン」の会員が約6割 コストコの「圧倒的成長」を支えるファン戦略と5つの強み:ここがスゴイよ(4/4 ページ)
圧倒的な成長を続けるコストコ。大きな特徴は会員制で、高額なプランを選ぶ会員は約6割に達するという。一体なぜ、そんなことが起こるのか。コストコのファン戦略と利益構造の裏側を探る。
コストコの強みと市場で伸びているモデルを総合して整理すると、次の5点です。
(1)有料会員(エグゼクティブ会員)を軸としながら、店舗とECの利用増を促進する限定商品や企画を強化する
(2)会員基盤に定期便サービスを加えて、ストック型収益を付加する
(3)再販店(卸売上)を増やすことで、投資リスクを抑えながらチャネル拡大を図る
(4)会員の購買データ分析、ニーズ調査を常に行うデジタル基盤を整備する
(5)データ分析を基に個店別の品ぞろえ、SKUの絞り込みを行い、廃棄ロスの削減、物流・在庫の効率化を実現する
ファンマーケティングの必要性が叫ばれて久しい昨今ですが、その世界的成功事例がコストコなのではないでしょうか。人口減・店舗の飽和状態にある日本市場において、顧客のファン化は切実な課題です。アプリ会員、SNSフォロワーを中心に無料の会員施策はどの企業も行っていることであり、あくまで販売促進の一つという位置付けです。今後は一歩進めた有料会員の制度をどう確立できるか、ここに新たな商機があるように思い、本日の記事とさせていただきました。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
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