パインアメの「シロップメーカー」なぜ開発? バズる商品の裏に“種まき”戦略:経済の「雑学」(1/3 ページ)
ライソンが発売した「パインアメ 魔法のシロップメーカー」が話題になっている。「パインアメ」を溶かしてシロップに調理するための家電だ。どのように商品が生まれたのか。戦略について聞いた。
家電・雑貨の企画販売を手掛けるライソン(大阪府東大阪市)が8月8日に発売した「パインアメ 魔法のシロップメーカー」が話題になっている。ロングセラーのキャンディー「パインアメ」を溶かしてシロップに調理するための家電で、そのユニークな発想が注目されているのだ。なぜパインアメを溶かすのか。どのように商品が生まれたのか。同社に聞いた。
失敗を回避する、専用の調理家電を
この商品は、1951年からパインアメを製造しているパイン(大阪市)とのコラボレーションで生まれた。小型のシリコン容器にパインアメと水を入れ、電源ダイヤルを回すと、あめと水を加熱してシロップをつくることができる。できあがったシロップは、デザートにかけるだけでなく、調味料として活用可能。15種類のレシピを紹介した冊子付きで、参考店頭価格は3960円。
企画のきっかけは、ライソンの商品「わたあめメーカー」を紹介する動画だった。ユーチューブの担当者が、パインアメを砕いて綿あめをつくるとおいしくなることを紹介。その動画に寄せられたコメントの中に「パインアメでシロップをつくる」というアイデアがあった。
「試しにつくってみたらおいしかったのですが、水とあめでシロップをつくるには温度などの調整が難しく、電子レンジやガスコンロだと失敗しやすいことも分かりました。『専用の調理家電でその失敗を回避できれば』と考え、商品開発を始めました」と、同社商品部マーケティング担当の佐藤恵子氏は振り返る。
パインにコラボレーションを依頼したところ、パインアメを「シロップとして使う」ことに共感してもらえたという。また、パインの担当者から、酢豚の調味料として使うアイデアまでもらえた。商品化も快諾してもらい、開発とレシピ考案を進めることになった。
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