生成AI「利用経験なし」84.4% そのワケは:1000人に聞いた
世界的に大きな注目を集めている生成AI。日本のビジネス現場において「継続利用している」と回答した人は1割に満たなかったことが、AI inside(東京都渋谷区)による調査で明らかとなった。
世界的に注目を集める生成AI。日本のビジネス現場において「継続利用している」と回答した人は1割に満たなかったことが、企業のAI運用支援を手掛けるAI inside(東京都渋谷区)の調査で分かった。ビジネスシーンで生成AIの活用が続かない理由とは――。
生成AIを「知っている・聞いたことがある」と回答した人は55.5%だった。注目度の高さと比べ、まだ世の中に浸透しきっていない状況が見て取れる。
生成AIを職場で「継続利用している」とした人はわずか7.8%にとどまった。「利用経験なし」は84.4%と多数を占めた。実際のビジネス現場ではほとんど活用されていないようだ。
なぜ生成AIをビジネス活用しないの?
生成AIをビジネス活用しない理由については「回答結果の正確性に懸念がある」が最多の28.7%、「使い方のイメージがわかない」(21.6%)、「法整備が不十分なことに懸念がある」(20.5%)と続いた。
回答結果の正確性や法整備、倫理的観点、セキュリティへの懸念といった生成AIに対する「信頼性」に加え、使い方のイメージがわかないといった「使い勝手」に関わる項目が上位を占めた。
一方で「自身の業務が代替されることに懸念がある」(5.2%)は15位となり、AIに仕事が奪われる懸念を抱えているビジネスパーソンは少ないことが分かった。
職場で活用する生成AIサービスを選定する際に重視する点については「セキュリティの信頼性の高さ」が41.5%で最多。「回答精度の高さ」(30.6%)、「導入費用の妥当性」(25.5%)と続いた。
個人ではなく会社としての判断が求められるサービス選定のシーンでは「セキュリティ」に対する意識が高くなる傾向が見られた。
調査は7月13〜17日にインターネットで実施。正社員および経営者・役員として働いている20〜59歳の男女1161人から回答を得た。
関連記事
- 生成AIを「利用しない」リスクとは 村田製作所が全社導入した理由
連載「生成AI 動き始めた企業たち」第10回は、村田製作所を取り上げる。スマートフォンやPCで使われる電子部品の生産・開発は世界でもトップクラスのシェアを誇る同社。長年、DXにも注力し、AI開発にも力を入れる。同社の強みはどこにあるのか――。 - 分析作業、9時間→6分に パナソニック流、生成AIの活用法
「生成AI 動き始めた企業たち」第6回はパナソニック コネクトを取り上げる。これまで9時間かかったアンケート分析業務を6分に短縮できたと発表し、話題を呼んだ同社。いかにして生成AIの業務活用を進めているのか。 - 日立が描く「熟練技術も伝承できる生成AI」の未来図
企業は、生成AIがビジネス活動や社会にどんな変化をもたらすと考えているのか。連載「生成AI 動き始めた企業たち」第3回は生成AIを手掛ける専門組織「Generative AIセンター」を設立した日立製作所を紹介する。 - 日本語性能「世界トップ級」 NECの生成AI開発の強みとは
連載「生成AI 動き始めた企業たち」第5回は、7月6日に高度な日本語能力を有する生成AIを独自開発したと発表したNECを取り上げる。 - IBMが描く「ビジネス×生成AI」の未来像
企業は、生成AIがビジネス活動や社会にどんな変化をもたらすと考えているのか。連載「生成AI 動き始めた企業たち」第1回は法人顧客向けの新基盤「watsonx」(ワトソンエックス)を5月9日発表した米IBMを紹介する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.