移住希望地ランキングで「栃木県」「広島県」が上昇 支持されるワケは?:ふるさと回帰支援センター調べ(1/2 ページ)
「ふるさと回帰支援センター」は2009年から移住希望地ランキングを毎年発表している。近年、「栃木県」「広島県」の存在感が増している。その背景は?
地方移住を支援するNPO法人「ふるさと回帰支援センター」は、2009年から移住希望地ランキングを毎年発表している。同ランキングでは長野県や静岡県が常に上位にランクインしているが、ここ数年の傾向として広島県や栃木県の存在感が増してきている。その背景や、移住希望者に支持されやすい自治体の傾向について同センターの高橋公(ひろし)理事長に聞いた。
まず、コロナ禍で移住希望地ランキングの集計方法が変わったことを説明しよう。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、セミナーなどをオンラインで開催するようになったことから、同ランキングでは20年から「窓口相談者」と「セミナー参加者」に分けて発表している。
同センター内には、自治体ごとに相談窓口があり、担当者が対応。窓口相談者はある程度希望する自治体を絞り込んでいるので、“本気度が高い”といえる。一方、セミナー参加者は窓口相談者ほど自治体を絞り込んだり、情報を集めたりしていない傾向が強いという。
情報発信の工夫
広島県はセミナー参加者に特に支持されている。20年は2位、21年と22年はともに1位だった。
高橋理事長によると、こうした結果になっているのは広島県庁が同センターと連携し、テーマを絞り込んだセミナーを開催していることが大きな要因だという。例えば、過去に広島県はサイクリストの聖地として知られる「しまなみ海道」と絡めた移住セミナーを実施している。また、移住担当部署の課長が自ら窓口で相談者と向き合うなど、情報収集にも熱心だ。
人気のある集客テーマを分析し、移住者に刺さる情報発信をしているのが背景にある。
ここ3年で窓口相談者ランキングの順位を大きく上げたのが栃木県だ。20年は13位、21年は9位、22年は3位に躍進した。
高橋理事長はその背景として、コロナ禍でリモートワークが普及したことで関東の北3県(群馬県、栃木県、茨城県)の人気が高まっていると指摘する。
宇都宮市が同センターに運営を委託した移住定住相談窓口が22年11月、宇都宮駅前にオープンしたことも追い風になっている。気軽に相談できる場所が増えたことも一因として挙げられる。
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