ITエンジニアの生成AI活用術 「Excel関数作成」「バグ検出」上回ったのは?:123人に聞いた
一般のビジネスパーソンよりも生成AIに触れる機会が多いと考えられるITエンジニアは、どんな使い方をしているのだろうか。
ChatGPTをはじめとする生成AIの業務活用が広がっている。一般のビジネスパーソンよりも生成AIに触れる機会が多いと考えられるITエンジニアは、どんな使い方をしているのだろうか。ソフトウェアの品質サポートなどを手掛けるバルテス・ホールディング(大阪市)が、ITエンジニア123人に「生成AIの業務利用に関する実態調査」を実施した。
生成AIについて、全体の13%が「業務に本格的に取り入れている」と回答。「試しに利用している」「利用を検討している」は全体の63%に上った。
生成AIの使用頻度については「毎日利用している」が全体の12%、「週に数回程度」が36%だった。全体の約半数が業務で生成AIを日常的に使用している様子がうかがえる。
生成AIをどう活用している?
生成AIの利用用途は「文章作成」が最も多い46%、「文章要約」が31%、「文章校正」が26%となり、主に文章生成をAIに任せることが多いことが分かった。また、簡単なコード作成やバグの検出、Excel関数の作成といったプログラミング用途で利用している人も多くいた。
主に利用している生成AIは、米OpenAIの人工知能チャットボット「ChatGPT」が75%で圧倒的に多く、次いで「Microsoft Bing」が29%だった。その他「Perplexity AI」「Teamsの自動文字起こし」などの回答も見られた。
生成AIの業務利用について「社内ルールを定めている」と回答したのは48%。「制限されていない」のは44%、「業務利用を禁止されている」は8%だった。
生成AIの業務利用が禁止されている理由については「入力した情報がこちらの意図していない使われ方をされる可能性について、危険性が少ない、確率は低い、といった曖昧(あいまい)な説明ばかりのため、会社としては許可できない」「ハルシネーション、ディープフェイク、プライバシー、セキュリティ、著作権の問題を確実に解決できると言い切れないため」などの意見が挙がった。
調査は8月29日〜9月15日、同社が運営するメディア「Qbook」で、事業所や企業に所属するITエンジニア123人を対象に実施した。
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