居酒屋の倒産、23年度上半期は一転増加 アフターコロナなのになぜ?(2/2 ページ)
居酒屋の倒産件数が増えている。東京商工リサーチによると、23年度上半期は81件の倒産が発生。年度上半期としては過去2番目の高水準だ。
居酒屋倒産が多かった都道府県は?
都道府県別では、増加が16都府県、減少が15道府県、同数が16県だった。増加した代表的な都府県は、東京(5→15件)、福岡(2→11件)、大阪(1→9件)、愛知(2→7件)、群馬(0→4件)。
地区別では、9地区中6地区で増加した。関東(13→26件)と近畿(14→18件)、九州(5→15件)、中部(6→12件)の4地区では、倒産が10件以上発生。一方、北海道(3→2件)と東北(3→1件)で減少し、四国は前年同期と同数(1件)だった。
資本金別では、「1000万円未満」が73件(前年同期比87.1%増)。全体のうち90.1%を占めた。内訳は「100万〜500万円未満」が31件(同72.2%増)、「個人企業他」が30件(同76.4%増)、「500万〜1000万円未満」が8件(同300.0%増)、「100万円未満」が4件(同100.0%増)だった。
一方で「1000万〜5000万円未満」は7件、「5000万円以上」は1件にとどまり、体力の乏しい中小・零細企業で倒産が相次いでいる状況だ。
東京商工リサーチは「アフターコロナで観光地や繁華街などへの人流は回復したが、コロナ禍の生活様式の変化が広がり、居酒屋の客足はコロナ禍前の2019年以前に戻っていない」とコメント。食材や光熱費などのコストが増加しており、人手不足なども深刻化する厳しい環境の中、今後も倒産件数の高止まりが続くのではないかとしている。
調査は、日本産業分類の「酒場、ビヤホール」で23年度上半期(4〜9月)に発生した倒産(負債1000万円以上)を集計、分析した。
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