カスハラと感じる行為トップ5 「暴言」「長時間絡まれる」超えた1位は?
ビースタイル ホールディングスが運営する「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が、主婦層を中心とする就労志向の女性に調査を行ったところ、「カスハラの被害者になったことがある」という人は過半数に上ったことが明らかとなった。
今年から労災認定基準にも追加された「カスタマーハラスメント」。顧客などから悪質なクレームや不当な要求をされることで、「カスハラ」と称される。キャリア調査機関「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が、主婦層を中心とする就労志向の女性に調査した結果、過半数が「カスハラの被害者になったことがある」という実態が明らかとなった。カスハラの具体的な内容とは――。
カスハラの被害者になったことが「何度もある」という人は22.1%。「一度はある」の29.5%と合わせると、被害経験がある人は51.6%と半数以上を占めた。
カスハラと感じる行為ランキングTOP5
一方で、カスハラの加害者になったことが「ある」という人は6.8%だった。被害経験がある人の方が、ない人より、カスハラ加害者になった経験が「ある」と回答した比率が8倍近く高かった。
しゅふJOB総研研究顧問の川上敬太郎氏は「カスハラだと思う基準は人によって異なること、またカスハラ自体に敏感か否かが、自らがカスハラの加害者になっているかどうかの認識においても大きく影響している可能性がある」とコメントする。
カスハラだと感じる行為について、最も多い回答は「大声で怒鳴られたり罵倒(ばとう)される」で74.7%に上った。「長時間しつこく問いただされる」(72.2%)、「暴言をはかれる」(70.2%)と続いた。その他「無理難題をつきつけられる」(68.4%)、「威嚇されたり脅迫される」(68.3%)といった回答が上位にランクイン。50%を超えた項目は12個に及んだ。
回答者からは「理不尽な要求など正当性のないカスハラは、もはや犯罪なのでどんどん警察などに通報すべきだと思う。同時にカスハラがあった際に従業員を守ってくれない上司/会社は淘汰(とうた)されてほしい」(40代:SOHO/在宅ワーク)、「カスタマーサポートの管理職の経験者です。私の場合は、無理をせずに、対応時間としては2時間以上になったら、上層部に相談して指示を仰ぐようにしていました」(50代:フリー/自営業)といったコメントが寄せられた。
調査は9月12〜19日にインターネットで実施。女性637人から回答を得た。
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