サイバーエージェント、生成AIのリスキリング講座を全社員に用意 内容は?
サイバーエージェントが11月から、全社員を対象に「生成AI徹底理解リスキリング」を開始。専門性の深さに合わせて3段階のプログラムを用意した。どのような内容なのか――。
5月に独自の大規模言語モデル(LLM)を発表したIT大手のサイバーエージェントは11月から、全社員を対象に「生成AI徹底理解リスキリング」を始めた。対象を全社員、エンジニア、機械学習エンジニア――と専門性の深さに合わせて3段階のプログラムを用意。全社的なAI人材の育成を目指すという。どのような内容なのか。
専門性に合わせた3つのプログラムを用意 内容は?
全社員向けに設定した「生成AI徹底理解リスキリング for Everyone」は、全ての社員が生成AIによる業務効率化や新規事業の着想を得られる状態を目指したコース。生成AIの基礎知識を身につけられるeラーニング形式のプログラムで、ChatGPTや同社の独自日本語LLMの活用に加え、活用における法務・セキュリティ知識を含んだ内容を学ぶ。受講後はオリジナル試験の合格を必須としている。
エンジニア向けに設定した「生成AI徹底理解リスキリング for Developers」はeラーニング形式でLLM開発のスキルの底上げを目指すプログラムで、12月に開始する。
機械学習エンジニア向けのプログラム「生成AI徹底理解リスキリング for ML Engineers」は2024年のスタートを予定する。各事業やプロダクト特有の課題に対し、LLMのモデル構築やチューニングで解決できる人材を育成するためのオリジナルプログラムだという。
同社は業務効率化や新規事業の創出を目指し、生成AI活用の動きを活発化させている。10月には生成AI活用推進組織「AIオペレーション室」を新設。広告オペレーションにおける作業時間の短縮を目指した「ChatGPTオペレーション変革室」、アニメーションやゲーム業界における生成AI研究開発組織「アニメーションAI Lab」「ゲームAI Lab」も同月オープンした。全社員が生成AIを活用できる環境を整備することで、現在の業務を2026年までに6割削減すると発表している。
関連記事
- サイバーエージェントが目指す、日本独自の生成AI
連載「生成AI 動き始めた企業たち」第2回は、サイバーエージェントを取り上げる。大規模言語モデル「OpenCALM」(オープンカーム)を5月に発表した同社は、生成AIの利活用にどのような構想を持っているのか。 - サイバーエージェント、生成AIで業務6割削減へ 賞金1000万円の社内コンペも
サイバーエージェントは、全社員が生成AIを活用できる環境を整備し、現在の業務を2026年までに6割削減すると発表した。 - 生成AIを「利用しない」リスクとは 村田製作所が全社導入した理由
連載「生成AI 動き始めた企業たち」第10回は、村田製作所を取り上げる。スマートフォンやPCで使われる電子部品の生産・開発は世界でもトップクラスのシェアを誇る同社。長年、DXにも注力し、AI開発にも力を入れる。同社の強みはどこにあるのか――。 - 分析作業、9時間→6分に パナソニック流、生成AIの活用法
「生成AI 動き始めた企業たち」第6回はパナソニック コネクトを取り上げる。これまで9時間かかったアンケート分析業務を6分に短縮できたと発表し、話題を呼んだ同社。いかにして生成AIの業務活用を進めているのか。 - 企画書作り「1週間→1日」に 住友生命の生成AI活用法
住友生命保険は7月から職員約1万人を対象に、ChatGPT技術を基に独自開発したチャットシステム「Sumisei AI Chat Assistant」を導入。これまで作成に1週間を要した企画書が、わずか1日で完成するなどの成果に結びついているという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.