回転寿司の代名詞「1皿100円」は消えるのか “最後の砦”かっぱ寿司・はま寿司のこれから:両者の共通項とは?(2/3 ページ)
かつては回転寿司の代名詞だった「1皿100円」が姿を消しつつある。一定規模のチェーンで維持するのは、今やかっぱ寿司・はま寿司に限られる。なぜ、両社は高コスト時代でも100円を維持できるのか。そして、今後はどうなるのか。
はま寿司の特徴、一つは「肉握り」
両者のメニューを比較してみよう。かっぱ寿司では一部店舗を除き、まぐろ、サーモン、真いかといった定番系は税込110円としており、とろサーモンやつぶ貝などの次ランクは税込187円となっている。はま寿司も同様に、一部店舗を除いてまぐろ、サーモンなどの定番系は税込110円だ。だが、かっぱ寿司では187円の生えびが、はま寿司では110円であるなど、ざっくりとしたイメージでは、はま寿司の方が110円商品の多い印象がある。
なお、肉に強みをもつゼンショーグループの影響か、はま寿司では豚塩カルビや合鴨、ローストビーフなどの「肉握り」が豊富だ。サイドメニューでは両者の大きな違いはなく、茶碗蒸しやフライドポテトなどの揚げもの類・麺類がそろっている。
次に、店舗面の違いを比較してみよう。かっぱ寿司・はま寿司ともに全店を直営で運営しており、建物面積が100坪前後・敷地面積は500坪以上の用地を募集していることから、店舗の運営方針や形状に大きな違いはないといえるだろう。いずれも、広々とした駐車場がある郊外型店舗をメインとしているようだ。ただし、かっぱ寿司は近年都市型店舗を強化しているため、ビルイン型の用地も募集している。
店内に関しては、テーブル席を主としてカウンター席を併設する点が共通する。回転レーンからの脱却も、それぞれ進む。はま寿司では「レーンオーダー」「ストレートレーン」を導入開始。かっぱ寿司でも、注文が入った商品のみを直接届ける「オートウェイター」を、23年3月期に50店舗で導入した。
ちなみに、すでに定着してしまったイメージからの脱却を狙ってか、かっぱ寿司は店舗のリニューアルを進める中で文字通り“看板”だった「かっぱ」のイラストも廃止している。
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