インタビュー
行政手続きの「めんどくさい」をゼロへ 生成AI用いた「スマホ市役所」の実力は: スマホ市役所(3/3 ページ)
自分も給付金がもらえる対象になる自治体の事業を耳にしたとき、調べる手間や申請の手間を考えて嫌気がさした経験はないだろうか? そんな不条理をデジタルや生成AIの力で解消しようとする自治体が増えている。
市役所が「行く必要のない場所」になったら
スマホ市役所はプラットフォームであり、どのような機能を追加で備えるかは各自治体次第だ。今後のサービスの充実次第では、スマホ上で完結できる行政サービスが増え、住民が「申請」のためだけに役所に足を運ぶ必要がなくなるかもしれない。
そんな未来が来たら、役所に残された使命とは何か。梅田氏はこう答える。
「デジタル化は目的ではなく、市民の『めんどくさい』をゼロにする手段であると思っています。役所というのは本来申請を受け付けるだけの場所ではなく、市民の困りごとを解決してあげる機関であるべきだと考えています。
職員は来庁した市民に丁寧な対応をすることはもちろん、市民が抱えている問題一つ一つを解決するために一緒に考えていかなければなりません。福祉や介護など、どうしても人の手が必要な分野もあります。
そのためにも、デジタルの力で職員の働き方を改善し、本当に職員の手が必要な領域に今よりもさらに注力できる環境を目指しています」
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