徹底して「シンプルなUI」を追求
また、全営業パーソンが腹落ちできるシンプルな設計も功を奏していると谷本さん。無駄はどんどん省く運用で、シンプルでありながら必要な項目は網羅する現在の5つのボードを作り上げた。
「定期的にSalesforce画面に表示されている項目を見直して、不要な項目や、現在すでに使用していない項目があれば都度削除しています。現在に至るまで、営業メンバーから『このデータも取りたい』『この項目も欲しい』など、さまざまな要望を受け、作成した項目は数多くありますが、それらも見直しによって削除してきました。
また、設計自体も極力「記述式」の項目は設置せずに「プルダウン形式」や「チェックボックス」を活用し、入力工数を割かないようにしています。記述式にしないことで、データ集計が容易になるメリットもあります」(谷本さん)
必要な項目に合わせて新たなツールを導入する際も「Salesforce上で完結すること」「シンプルで使いやすいこと」を重視する。
「ツールを選定する際は、まずはSalesforceと連携できることが絶対条件で、そこから課題の優先順位付けを行い、最も重要な課題を解決できそうなツールはどれかと検討しています。
加えて(1)操作性(使いづらかったり、作業が面倒だったりするものは使われなくなる可能性が高い)、(2)価格、(3)導入実績(同じような課題を持った企業の導入前後の実績)、(4)課題解決の網羅性、(5)セキュリティ、(6)フォロー体制――などを比較・検討し意思決定しています」(谷本さん)
同社は23年下期から新たに名刺管理ツール「Sansan」を導入。オンライン名刺交換による商談相手の役職や部署などの詳細情報を取得するほか、Sansan Data Hubから決算月や資本金といった企業の詳細情報を取得し、顧客情報のアップデートに力を入れていくという。
「不整合や重複を避け、顧客ごとに個別化された細かな情報をSalesforce上に蓄積し、営業・マーケ・CSなどの各部門で一貫性のある顧客体験を提供できるようにしていきます」(仙北さん)
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