多角化進めるニトリ 2年前に始めた「レストラン」は今、どうなっているのか(2/3 ページ)
2021年にニトリが始めた外食事業。発表から2年以上が経過しており、店舗数は6つまで増えている。一方で、業態は現在3つを展開する。どのような狙いがあるのか。
「HF」2ブランドはヘルシーなメニューが充実
HFみんなのグリルはその名の通り、ヘルシーさを追求したメニュー構成となっている。肉と米、そして野菜がワンプレートになった「ボックス」がメインだ。チキンとハーフサイズのハンバーグと野菜、さらに米がついたチキンバーグボックスは790円、チキンステーキボックスは990円である。
HFみんなのサンドは、レタスとトマトが入ったサンドイッチメニューが主軸。ハムサンドとポテトがセットとなったハムサンドボックスは790円、野菜たまごサンドボックスは690円である。
現在3ブランド6店舗で展開している外食事業の出店形式は、ニトリの敷地内にオープンするタイプとホームズのフードコート内に出店するタイプの2種類がある。家具店兼ホームセンターのホームズは、フードコートのほか、しまむらやJINSといったテナントを含むモールのような店舗が多い。21年2月期にニトリHDが島忠を子会社化したため、ホームズ内にニトリダイニングを出店できたようだ。
いずれもグループの敷地・施設内に出店していることから、純粋な飲食店としての成功を狙うのではなく、ニトリやホームズとの相乗効果を期待していると考えられる。みんなのグリル(HF店含む)は肉類をメインとしており、メニュー的にはいきなり!ステーキやびっくりドンキーが競合になりそうだが、郊外や他の商業施設内に出店しているわけではない。HFみんなのサンドもサブウェイのような展開を目指すのであれば、駅前繁華街に出店するはずだ。
家具と外食で相乗効果が発揮された例としては、IKEAが挙げられるだろう。スウェーデン料理などもの珍しい料理を提供するIKEAレストランは、それ自体を目的とする客も多く、IKEA本体への呼び込みにもつながっている。
筆者としては、現時点のニトリダイニングにIKEAレストランほどの集客力があるとは思えないが、食事の場が併設されることで客の滞在時間が伸び、モールのように全体として売り上げが増える効果が期待される。ニトリダイニングの出店ペースは2年で6店舗と遅いが、すでに3業態を展開していることから、どれがヒットしそうか模索している段階にあると考えられるだろう。
関連記事
- 飲食店は“大荒れ”なのに、なぜニトリはファミレスに参入したのか
ニトリがファミレス事業に進出した。店名は「ニトリダイニング みんなのグリル」。、「お、ねだん以上。」のメニューが並んでいるわけだが、なぜ飲食店に逆風が吹き荒れているタイミングで出店したのか。背景にあるのは……。 - 初の融合店「ニトリホームズ」オープン ロゴの色をオレンジにした理由は?
ニトリホールディングスが、「島忠」との初の融合型店舗「ニトリホームズ 宮原店」をオープンした。どのような店舗なのだろうか
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.