「有名チェーン店」が店を出す駅、出さない駅を可視化してみた:データに隠された真実(2/4 ページ)
駅のまわりにどんなカフェチェーンがあるのか。「路線図風に表したらわかりやすいかも」と思い、可視化してみました。
JR中央線快速
続いて東京都内の JR中央線です(図2)。東京都心を駆け抜け、武蔵野の住宅地をまっすぐ貫く人気路線。ひとつひとつの駅が大きく、東急東横線よりもにぎやかな路線図になりました。中野区や杉並区の雑然とした駅前商店街も魅力的ですし、2000 年以降に高架化された武蔵境〜武蔵小金井、国立の各駅も、高架下にお店やイベントスペース、さらには学生寮(!)などが整備されて、素敵な空間が生まれています。
スタバの多い路線、少ない路線
首都圏の私鉄各線をいくつか眺めてみましょう(図3〜6)。今回は新宿、池袋を発着する4つの路線をピックアップしましたが、西武新宿線の路線図が少し寂しいことに気づくでしょうか。
このような違いが生まれる理由のひとつが 駅力(えきりょく)です。駅力とは一般的に知られている単語ではなく、時と場合によってさまざまな使い方をされていますが、ここでは「駅やその周辺の街に、どれだけ人を引き寄せる力があるか」と定義しておきましょう。
西武新宿線は東京都心と所沢、川越などを結ぶ通勤路線で、都内では中野区、杉並区や西東京市などの人口密集地を貫いています。沿線人口は他の路線とも遜色ないのですが、数km南側を走るJR中央線の求心力が強すぎるために、西武新宿線とJR中央線の間に住む人たちが(バスを使ってまで)JRの駅に向かう……といった現象が起きています。飲食店、特にスターバックスやタリーズは出店候補地の人通りをシビアに見るので、駅力の弱い駅への出店はどうしても後回しになってしまうのです。
名古屋、大阪では……?
名古屋、大阪の地下鉄の中でも一番人気の路線が東山線と御堂筋線です(図7〜8)。東山線は名古屋と栄、御堂筋線は梅田からなんばの各駅に多くのカフェが集まっています。首都圏よりもコメダ珈琲店(本社:名古屋)が多いのが特徴的で、特に東山線の路線図を見ていると、名古屋の皆さんの「コメダ愛」が伝わってくる気がします。
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