コラム
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた:データに隠された真実(1/3 ページ)
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
厚生労働省が毎年行っている「国民生活基礎調査」によると、2021年、児童(18歳未満の未婚の者)のいる家庭の平均世帯年収は785万円。中央値は710万円で、およそ24%の世帯が1000万円を超えています。地域や家族構成によるので一概には言えませんが、全国的には30代で650万円、40代で800万円ぐらい稼いでいれば「上から数えたほうが早い」と言えるでしょう。
地域による違いはどうでしょうか。総務省統計局の「住宅・土地統計調査」では、都道府県や市区町村別の収入分布(※)が公表されています(図1)。
(※)「住宅・土地統計調査」では、18歳以上の子がいる家庭(例えば、高齢夫婦と無職の成人)もカウントされるため、「国民生活基礎調査」よりも年収の平均値や中央値が低く出る傾向があります。その代わりに、親、子、孫の 3世代が同居する家庭を除外できるため、一般的な「核家族」の暮らし向きがわかります。
この調査(2018年)の結果を用いて、「子どものいる核家族」のうち、世帯年収700万円以上の割合を都道府県別に表してみました(図2)。
東京都(49%)を筆頭に、三大都市圏ではおおむね35〜45%。全国平均の35%より高い地域を暖色系、低い地域を寒色系に塗り分けていますが、どんなことが読み取れるでしょうか。
大都市圏を拡大すると、同じ都道府県の中にも「地域格差」が見られます(図3)。東京都心に隣接し、文教地区として知られる文京区では、約65%の家庭が「700万円以上」。その他、23区西部から川崎、横浜の内陸部にかけて 60%前後のエリアが広がります。
関連記事
- 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』――最も高い家に住んでいるのは? 査定してみた
国民的アニメの主人公は、どんな家に住んでいるのでしょうか? 『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』の自宅を査定したところ……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - 「辞めたけど良い会社」 ランキング ワースト30社の特徴は?
辞めたけれど良い会社は、どのような特徴があるのか。IT業界で働いた経験がある人に聞いた。 - 6年前に「社員寮」を建てて、どんな“効果”がでたのか 50%→0%の数字に驚き
大阪に本社を置く「三和建設」が気になるデータを出してきた。6年前に寮を建てたところ、ある数字が劇的に下がったというのだ。どういうことかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.