連載
「日本一高いビル」「1室200億円超」 麻布台ヒルズは確かにスゴいが、気になったいくつかのこと:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
長い年月を経て、ようやく完成した麻布台ヒルズ。森ビルの「ヒルズ」としては8つ目の施設となる。いったいどんな施設なのか。森ビルのどんなノウハウが詰まっているのかなどを合わせ、あらためて解説していく。
ビジネスパーソンには厳しいランチ事情
前述の通り、森JPタワーの高さは、これまで日本一だった大阪市のあべのハルカスを抜いた。しかし、麻布台ヒルズを観光地として見た場合、池袋・サンシャインシティのように水族館や劇場があるわけではない。六本木ヒルズのような映画館もないし、アークヒルズのようにコンサートホールもない。渋谷パルコのようにアニメやゲームに関係するショップがあるわけでもない。小さな子どもと来ても、展望台の景観以外は退屈してしまうだろう。
一方、従来のヒルズと同様、むしろそれ以上に大人がゆっくりと楽しめるようなレストランが充実している。施設の各所にある現代美術のアート作品も、好きな人は楽しめるだろう。
食に関して、六本木ヒルズでブランド力の高いレストランを集結させる取り組みを行って以来、森ビルのレストランセレクションは名店ぞろいと定評がある。麻布台ヒルズも、庶民派グルメとは一線を画す店が並ぶ。麻布台ヒルズは、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズと違って近隣に飲食店が並ぶ繁華街もない。ここで働くビジネスパーソンにとっては、なかなかつらい立地といえるかもしれない。
例えばラーメン店・麺尊RAGEが営業しているが、メインの軍鶏そばは2000円だ。煮干しそばやスパイスカレーなどは1500円。これがランチの最低限の相場と考えられる。同店は15年に杉並区西荻窪にオープン。ミシュランのビブグルマンに掲載された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.