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「日本一高いビル」「1室200億円超」 麻布台ヒルズは確かにスゴいが、気になったいくつかのこと:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)
長い年月を経て、ようやく完成した麻布台ヒルズ。森ビルの「ヒルズ」としては8つ目の施設となる。いったいどんな施設なのか。森ビルのどんなノウハウが詰まっているのかなどを合わせ、あらためて解説していく。
客単価1万円の居酒屋
この他、和牛ハンバーガーや天ぷら、顧客単価1万円の居酒屋「うちやま」、フカヒレ専門の中華「ふかひれ家」など、ユニークな店が目白押しだ。物販でも「ザ・コンランショップ」の旗艦店がレストランと併設でオープン。ホテルはレジデンスBの1〜13階に、ラグジュアリーホテルのパイオニアであるアマンが、姉妹ブランド・ジャヌとして初のホテル「ジャヌ東京」をオープンする。
30年の年月をかけて、地権者たちを粘り強く説得し、森ビルのノウハウを注ぎ込んだという麻布台ヒルズ。力の入れようは随所に認めるが、余りにも格差が開いた東京の今が強く反映されている。六本木ヒルズができたときの、未来を先取りしたようなワクワク感がだんだん薄れてきたような感想を持つのは、筆者だけなのか。コンパクトシティを目指した各ヒルズも、連なればメガシティではないのか。この先、新たなヒルズが必要なのかとも思えてしまう。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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