“きまぐれ上司”への対処法 思い付きで説明してはいけない。ポイントは5つ:その作業ムダムダ(2/2 ページ)
前提条件や経緯を全く理解していないのに、思い付きで質問や指示をしてくる上司や偉い人がいます。どのように対応すればよいでしょうか。
(1)前提をすり合わせる
上司の知識や経験などを確認します。質問してきた内容について、相手の「既知(すでに知っている事項)」と「未知(まだ知らない事項)」を推し量るのです。
(2)範囲を見せる
これから伝えることが、どこからどこまでの説明なのか伝えます。「まずは、手書き申請書の現状についてご説明させてください」のように範囲を示します。ここで範囲が広すぎないかを意識するのもポイントです。
(3)たとえ話をする
相手の馴染みがある言葉を探します。「RPAはソフトウェアなので、ペッパー君のように目に見えて存在するロボットとは違ってパソコンの中で使います」のように置き換えて説明します。
(4)スピードを意識する
相手の理解が追い付いているのかスピード感を意識して話します。
(5)量を意識する
相手の理解が追い付く情報量を調整しながら話します。このように、相手が納得しやすい説明を心がけることで追加の質問を防ぎます。
また、このムダ作業が発生する原因には「自分だけ置きざりにされたくない」「その仕事が失敗してしまうのではないか」という上司の不安もあります。そこで今まで以上に細かな報告や相談、連絡を入れるような工夫も大切です。
「なんで、こちらがそこまで譲歩しなければいけなんだ!」と思ってしまうかもしれませんが、上司に腹を立てたところで「思い付き上司のお世話」作業が職場からなくなることはありません。これらの説明方法は色々な場面で使うことができるので結果的に自分を楽にしてくれます。ムダ作業から解放されるために活用してください。
- 経緯を知らないままに質問
- 上司のプライドを傷つけない説明に苦心
- 聞きかじった知識のアドバイス
→5つの「戦略的な説明テクニック」を意識する
この記事は、『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(元山文菜/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
著者プロフィール:元山文菜
株式会社リビカル代表取締役。業務コンサルタント。
大学卒業後、株式会社サクラクレパスに入社。その後、富士通株式会社に転職。2017年に独立し、現在の株式会社リビカルを設立。2021年11月(株)医療デザインラボ代表。医療に特化した業務コンサル会社を設立。障がいや難病女性向けのNPO運営の顔ももつ。
「多様性×業務改善で、はたらくを楽しむ人を増やしたい」をテーマに、業務や組織構造の再設計を手がける。個人や企業にとっての「価値ある時間の創出」「経営資源の拡大」を支援。これまで、DX推進、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)やRPA導入支援と、個々人に対する時間管理術の改善をあわせて実施することで、組織への生産性を最適な手段で向上させる。そのほか、業務プロセス改善、タイムマネジメント、ダイバーシティマネジメントをテーマにした講演活動も精力的におこなっている。
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