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規格外でも味は一緒 ローソンの「もったいない」シリーズが好調 恵方巻、おせち、クリスマスケーキで展開するワケ(2/2 ページ)

ローソンが規格外の具材などを使った「もったいない」シリーズを強化している。食品ロス削減が狙いで、おせち、クリスマスケーキ、恵方巻では一定の支持を得られている。

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おせちからスタート

 もったいないシリーズは、22年に発売した「もったいないおせち」(1706円)から始まった。通常のおせちを製造する過程で出てしまう端材や規格外食材を使用しているのが大きな特徴。「鴨肉スモークの切れ端」「実割れそら豆」「ひも取れ帆立照焼」「さつま芋のはじっこ」「変形ちょろぎ」「ちぎれスモークサーモン」「折れ数の子」「伊達巻の切れ端」「規格外のぶり照焼」「規格外の蟹爪」「字がズレた寿高野豆腐」「皮めくれ黒豆」「規格外野菜のなます」が入っていた。関東限定で、22年9月13日に予約受け付けを開始したところ、用意した500台が即日完売した(参考記事)。


22年の「もったいないおせち」(1706円)、端材や規格外食材を使用している(2022年バージョン)

 ローソンは、もったいないおせちの第2弾を23年に3000台限定で用意した。コロナの5類移行後に初めて迎える正月なので、家族で集まって楽しめるように3〜4人前とした。具材は16品目で、いずれも規格外の食材を使用。3900円で予約を開始したところ、予約締め切り日(23年12月23日)より前の12月上旬に受け付けを終了した。人気の理由について、商品を企画した担当者は「食品ロス削減への意識が高まってきているとともに、規格外でもおいしさに変わりない商品を選ぶお客さまの志向が現れてきているからだと考えております」と分析する。


23年の「もったいないおせち」(3900円)

 23年12月には、もったいないクリスマスケーキも発売している。ローソンの人気スイーツ「プレミアムロールケーキ」生地の端材を活用した「ティラミス・4号相当」(2500円)を今年初めて用意。生地をカットする過程で発生した端材をスポンジ部分に8%配合しているのが大きな特徴。22年に投入した同タイプの商品と比べ、倍以上の注文があった。


もったいないクリスマスケーキは、端材をスポンジ部分に配当している。23年発売。

 結果的に、目標数を上回る予約数だったという。好調だった理由については「もったいないおせちが支持された理由と同様ではないか」(商品企画担当者)としている。

 同社は、1店舗当たりの食品ロスを、25年に18年対比25%削減、30年に同50%削減、50年に同100%削減を目指すとしている。こうした方針がもったいないシリーズ誕生の背景にある。

 生産や商品化の過程で規格外になった具材を利用した商品は、セブンやファミマでも取り扱っているが、ローソンは「もったいない」と統一してアピールしている点が大きな違いだ。

 食品ロスにつながり、味も通常品と変わらないのにリーズナブル。こうしたコンセプトの商品は今後も増えていくだろうか。


23年発売の「手巻寿司 漬まぐろ」には本来恵方巻に使用する予定だった漬まぐろのたたきを再利用

23年発売の「もったいない!ちらし寿司 穴子・刻みうなぎのせ」には、通常商品で使用しているサーモンの端材などを使用
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