食品ロス削減につながるおせち!? コンビニ大手「もったいない」精神から生まれた商品の数々:3社に聞く(1/3 ページ)
食品ロス削減に対する関心が高まっている。コンビニ大手各社では、「もったいない」精神を感じさせる商品開発を進めている。どんな開発ストーリーがあるのか。
食品ロス削減に対する関心が高まっていることから、大手コンビニ3社では規格外品や端材を活用した商品開発を進めている。
ローソンは2022年9月13日、関東限定で「もったいないおせち」(1706円)の予約受付を開始したところ、用意した500台が即日完売した。同商品は、通常のおせちを製造する過程で出てしまう端材や規格外食材を使用しているのが特徴。具体的には、「鴨肉スモークの切れ端」「実割れそら豆」「ひも取れ帆立照焼」「さつま芋のはじっこ」「変形ちょろぎ」「ちぎれスモークサーモン」「折れ数の子」「伊達巻の切れ端」「規格外のぶり照焼」「規格外の蟹爪」「字がズレた寿高野豆腐」「皮めくれ黒豆」「規格外野菜のなます」が入っている。
いずれも、品質や味わいには問題がないが、さまざまな事情で捨てられてしまう食材を活用するのが目的だ。食品ロス削減について、同社が「2030年までに50%削減(18年対比)」という目標を掲げていることも背景にある。
ローソンの広報担当者は購入している層について「まず、食品ロス削減に積極的に取り組まれている方が考えられます。また、1〜2人用にちょうどよいサイズですので、そういったサイズを求めているお客さまが購入されているのではないでしょうか」と分析する。
同社では20年に関東エリアのローソン店舗にて、個食タイプのおせちを販売した。1人で食べるのにちょうどよい量の具材を盛り付けていたのが特徴で、売れ行きは好調だった。少人数でおせちを楽しむ人が増えていることも、もったいないおせちが注目された背景として考えられるとしている。
また、ローソンは22年12月13日には恵方巻の予約受付も開始したが、商品ラインアップとして「もったいない!海老カツ恵方巻」(430円)を用意した。
この商品には、余剰在庫で廃棄されてしまう可能性のある海老カツだけでなく、「色目が基準外」「折れる」といった理由でサイズが規格外になったカニカマ・海老を中具に使用している。広報担当者によると、もったいないおせち同様、食品ロス削減を目的に開発したという。他の恵方巻より安価なことや、環境配慮を打ち出したことなどが影響し、売れ行きは好調で、現在では予約受付を終了している。
同社では22年11月28日、食品ロス削減やプラスチック削減などをコンセプトとした「グリーンローソン」を東京都豊島区にオープンした。同店では通常のローソン店舗で販売しているチルド弁当や常温弁当の販売はしておらず、冷凍弁当と店内厨房でつくる弁当を取り扱う。具体的には、冷凍の「おてがるのり弁」(315円)や「ナポリタン&オムライス」(497円)などを販売している。
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