「人間関係リセット」4割が経験、なぜ? 転職繰り返す人も:2400人に聞いた
職場やプライベートなど、さまざまなシーンにおいて人間関係をリセットした経験がある人は4割に上ることが、市場調査会社クロス・マーケティング(東京都新宿区)の調査で分かった。人間関係をリセットしたきっかけとは――。
衝動的に周囲の人との交友関係を断つ「人間関係リセット症候群」。正式な病名ではなく、人間が陥りやすい心理状態を指し、メディアなどで取り上げられる機会が増えている。
職場やプライベートなど、さまざまなシーンにおいて人間関係をリセットした経験がある人は4割に上ることが、市場調査会社クロス・マーケティング(東京都新宿区)の調査で分かった。人間関係をリセットしたきっかけとは――。
調査では、自ら長期的に連絡を絶つことを「人間関係リセット」と定義した。
過去に「人間関係をリセットした」経験を持つ人は41%に上った。女性と50代は高めで、それぞれ46%という結果に。今後「人間関係をリセットしたい」人がいると答えた割合は26%で、女性と30代、50代では3割を超えた。
職場、友人……人間関係をリセットしたきっかけは?
実際に人間関係をリセットした間柄は「友人・知人」が最も多い54%、次に「職場の人」(26%)、「同級生・学生時代の先輩・後輩」(23%)が続いた。「友人・知人」は女性20代・30代・60代で6割を超え、「職場の人」は男性50代、女性40代で35%前後の高さとなった。
リセットしたきっかけは、家族・親戚関係では「遺産相続」「金銭問題」、友人・知人は「面倒/うっとうしい」「価値観や性格が合わない」、職場は「面倒・関わりたくない」「パワハラ・いじめにあった」という声が聞かれた。
どのようにリセットしたのか
どのようにリセットしたのか。「電話帳の連絡先を消す」「一時的に音信不通になる」「LINEの返事をしない・見ない」「はがきでの連絡をやめる」「メールの返事をしない」が2割台となった。LINEを含むSNSでのリセットは、20〜30代を中心とした若い年代で高い傾向が見られた。
「電話帳の連絡先を消す」「携帯電話・スマホを新しくして、連絡先を知らせない」という方法は40代で多かった。
人間関係をリセットしたい人の中には、頻繁に転職を繰り返す、といった行動を取る人もいるようだ。情報過多の現代社会特有の現象という指摘もあり、効果的な処方箋が求められている。
調査は1月1日にインターネットで実施。全国47都道府県に在住する20〜79歳の男女2400人から回答を得た。
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