調査リポート
ラーメン店の倒産件数、09年以降で最悪に 23年は45件、最多の地域は?
東京商工リサーチがラーメン店の倒産を調査した結果を発表した。2023年は09年以降で最悪となる45件を記録した。
ラーメン店の倒産、休廃業が加速している。東京商工リサーチによると、2023年のラーメン店の倒産(負債1000万円以上)は45件で、13年の42件を上回り、09年以降の過去最多となった。45件のうち新型コロナウイルス関連倒産は29件で、前年の14件から倍増した。
倒産以外に「休廃業・解散」も29件と、こちらも18年の23件を上回り09年以降最多となった。資本金別では、「1000万円未満」が40件で88.8%を占めた。内訳を見ると、「個人企業他」と「100万〜500万円未満」が18件で並び、「100万円未満」と「500万〜1000万円未満」がそれぞれ2件だった。
地区別では「北海道」「四国」を除く7地区で倒産が発生。最多は「関東」(14件)で「中国」(8件)、「近畿」(7件)、「中部」(6件)が続いた。関東はラーメン店が多く、同業者との競合も激しいため、件数だけでなく、前年比の増加率も250.0%で最大となった。
原材料や食材価格、光熱費、人件費などが上昇し、ラーメン業界は厳しい局面が続いている。東京商工リサーチは「物価上昇の対抗策は価格転嫁が一番だが、消費者相手の値上げは客離れと背中合わせ」と指摘し、他店との差別化を図れない小・零細規模のラーメン店の淘汰が続くと分析した。
日本産業分類の「ラーメン店」で23年1〜12月の倒産を集計、分析した。
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