なぜ「ちゃん系ラーメン」支持される? 背景に高齢化 こってり、がっつりだけではない新潮流:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
「ちゃん系ラーメン」と呼ばれるラーメン店が都内を中心に流行している。その背景にあるのは高齢化だと筆者は指摘する。ラーメンの潮流から最新の動向を読み解く。
東京では「ちゃん系ラーメン」と呼ばれるラーメン店が流行ってきている。山手線をはじめとする東京23区の繁華街を中心に15店近くあり、どの店も繁盛している。
ちゃん系ラーメンには際立った特徴がある。
例えば、「えっちゃんラーメン」「ちえちゃんラーメン」のように店名を「〇〇ちゃん」と名乗っていることが挙げられる。
外観は、赤い看板に白抜きの文字というデザインが多い。そして、中央に円で囲った「〇〇ちゃん」の頭文字などが入り、左側に「中華そば」、右側に「もり中華」とある。上に「中華そば」、下に「もり中華」が入るケースもある。
「味の店」「切り立てのチャーシューが抜群!」「炊き立てのスープは香りが抜群!」とアピールする立て看板を掲げる店も見かける。入口に白い暖簾が掛かっており、店名は白い暖簾か表札で遠慮がちに表示されることも。
メニューは、中華そばともり中華の2種類が基本で、多くは白いご飯を無料または100〜150円程度の安価で提供する。だから、がっつり食べたい若い男性に人気がある。
これは特に珍しくないが、券売機でチケットを購入してから注文する。1杯の値段は店により異なるが、中華そばで850〜950円前後だ。中には1000円を超える店もある。安くはない。
ラーメンは丼に並々とスープが注がれており、チャーシュー麺でもないのに、表面は店で仕込んだ切り立てのチャーシューで覆われている。中央部のチャーシューにはザクザクと刻んだネギがのせてあり、スープは澄んだ色のしょうゆラーメンだ。そして、わりとつるんとした平打ちの麺で統一されている。
スープに脂が浮いているが、実際に食べてみるとあっさりしており、どこか昔懐かしい中華そばのテイストを感じる。喜多方ラーメンにちょっと似ていると思う人が多いのではないか。
このように、多少の例外があるものの、ちゃん系ラーメンには上記のような共通要素がある。
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