ドンキとニトリが飛びついたチューナーレステレビ 「NHK避け」だけじゃないニーズを考える(1/3 ページ)
チューナーレステレビが話題になって久しい。これまで家電と縁遠かったドンキやニトリが販売するようになり、目にする機会が増えた。話題になる際はNHKの受信料と一緒に語られることが多いものの、真のニーズは違うところにありそうだ。
近年、チューナーレステレビが話題となっている。その名の通りチューナーがついておらず、地デジを受信できない仕様のテレビだ。「NHK受信料を払わなくて済む」といった謳い文句で売られることもあり、NetflixやU-NEXTなどの動画視聴が主な用途とみられる。
その勢いは増しており、家電量販店やECだけでなくドン・キホーテやニトリなどの小売各社も販売するようになった。今回はチューナーレステレビの概要と人気の背景について迫ってみよう。
サイズや見た目は普通のテレビ
そもそもチューナーレステレビにない「チューナー」とは、アンテナで受信した信号から映像や音声を取り出す装置で、テレビのほとんどに内蔵されている。チューナーレステレビ(以下、チューナーレス)は従来の薄型テレビと同じ形状だが、チューナーが内蔵されておらず、地デジを受信できない。冒頭の通り、テレビだけで考えればNHK受信料を払わなくて済む仕様だ。
基本的には有線LANまたはWi-Fiでネットにつなぎ、NetflixやHulu、U-NEXTやアマゾンのPrime Videoなどで配信している動画を視聴する。ちなみにチューナーレスの多くは「Google TV」や「Android TV」などのOSを搭載しており、スマホと同様に動画の視聴は各アプリを介して行う。Nintendo Switchなどのゲーム機とつなぎ、モニターとしての使用も可能だ。
チューナーレスには従来型のテレビと同様にさまざまなサイズがあり、HD・フルHD・4Kなど機種によって対応する解像度も幅広い。価格は数万円台が多く、サイズ・画質によって異なるが10万円を超えるものはあまり見かけない。数万〜十数万円台が基本の従来型テレビと比較して安い点も特徴だ。
従来のテレビは大手家電メーカー製が多いのに対し、チューナーレスは中国メーカーまたは国内の無名企業が製造することも多く、部品コストを抑えているため安くできている。ただし、その分画質や音質はあまり高くないといった意見も聞かれる。ちなみにチューナー自体は数千円程度なので、その有無が価格差に影響するわけではない。
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