インタビュー
年間1612時間・90万円のムダ削減 社内の「断捨離」はこうやるべき:業務のムダ改革(2/2 ページ)
どの会社にも、やめるべきかどうか判断を棚上げにしているムダがあるはずだ。そうしたムダを徹底的に排除するにはどうすればよいか。
年間1612時間・90万円のムダ削減
実際にどんなムダを削減できたのかというと、以下の通りだ。
ムダの削減実績(22年)
コスト削減
- 社内で利用していたクラウドサービスの削除やスケールダウンによって利用料の削減
- 利用頻度の低かった社用携帯の解約
- 退勤時に社内モニターの電源OFF
打ち合わせ時間削減
- 長くなりがちな社内の打ち合わせ時間を短縮。毎週実施していた定例ミーティングを隔週に変更、または1回1時間の打ち合わせを45分に短縮するなどで、年間1612時間を削減。
不要ファイル/データ整理
- 社内共有ドライブのデータ整理
- 社内チャットツール上の過去添付データ(動画など)の削除でデータ軽減
- 不要なメールの配信停止など、情報の取捨選択をすることで業務効率の向上
こうした断捨離の取り組みを毎年行うようになって、社員の意識も変わってきたと社長は話す。
「1年目はお金に関するムダが多く見つかりましたが、2年目以降は減少傾向にあります。また、断捨離月間ではない時期でも社員から『これって本当に必要か?』という声がよく上がるようになりました。日ごろからムダを増やさない意識が醸成されてきたと感じます」
どんな会社組織でも、一定期間がたつとそこかしこでムダが発生してしまうものだ。このムダの根源はどこにあるのだろうか?
「どんなムダも『その時は必要だったもの』が大半です。それが半年、1年と時間がたつうちに形骸化していくのが常です。そうして形骸化していったものをやめる判断を下すときには労力がかかりますし、面倒なものとして放置されがちです。
ある程度ムダが生まれてしまうのは仕方がないこととして『やめよう』と言い出しやすい雰囲気づくりが大切だと考えています。そのきっかけづくりに断捨離月間は大いに役に立っていると思います」
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