マクアケのデータを使って融資を判断します 池田泉州HDがデジタルバンク「01Bank」設立:事業性融資に特化(2/2 ページ)
池田泉州ホールディングスは2月1日、事業性融資に特化したデジタルバンク「01Bank(ゼロワンバンク)」準備会社を設立したと発表した。どんな銀行なのかというと……。
マクアケが01Bankに提供するデータ
01Bankの取り組みは新たなチャレンジではあるが、実はプラットフォーマーが持つデータを活用した融資は、これまでも成功例を生み出してきた実績がある。
マクアケは全国100の地方金融機関と連携しており、相互に顧客を紹介してきた。地銀が融資をできなかった場合、マクアケでクラウドファンディングを実施して資金を調達したり、クラウドファンディングで成功した事業者を地銀に紹介して融資が実現したりといった取り組みだ。
「マクアケだったから融資が通ったんだよね、という事業者からの声をたくさんもらってきた。クラウドファンディングの結果を元に、銀行に情報提供して融資判断に役立ててもらう。これは仕組み化できるのではないか」と、マクアケ共同創業者の坊垣佳奈氏は今回の取り組みのきっかけについて話す。
実際、マクアケが金融機関に行ったアンケートによると、38.5%の金融機関が「マクアケ実施がきっかけで銀行の融資につながった例がある」と回答した。坊垣氏は「事業性融資判断が進めば、中小やスタートアップの新商品開発の機会創出につながる可能性がある」と、01Bankとの取り組みに期待する。
マクアケが01Bankに提供するデータは、クラウドファンディング実施後の金額や人数などの公表データだけでなく、事業者の購入者に対する活動レポートやそれに対するコメント数、コメントのポジティブ・ネガティブなど多岐にわたる。
01Bank側では、顧客からメインバンクの入出金データを提供してもらい、さらにマクアケなどプラットフォーマーのデータを使って総合判断する。当初は、人間の判断も加えて与信を行うが、「数年後には、人間の判断に相当する部分も審査モデルに組み込むことを考えている」(伊東氏)
マクアケ側は基本的にデータは無償で提供する考えだ。データ提供料といった形もあり得るが、それよりも01Bankとの取り組みによって、マクアケを利用する顧客が増える点に期待する。
法人向けサービスのデータを活用した01Bankの新たな取り組み。2025年3月末まで開業の準備を整え、当局の認可が降り次第、事業を開始する予定だ。
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