豊田自動織機のサプライチェーンは全国に5319社、売上高は1兆2621億円 帝国データバンクが調査
豊田自動織機の法規違反を受け、帝国データバンクがサプライチェーン企業の特徴や取引規模を推計した。
豊田自動織機は1月29日、製造している産業用車両エンジンや自動車用エンジンの一部で性能試験の法規違反があったと公表。エンジンの供給先であるトヨタ自動車は、確認作業のため国内4工場・6ラインの稼働を停止、豊田章男会長が会見で謝罪するに至った。
これを受け、帝国データバンクは豊田自動織機にモノやサービスを提供する周辺産業の特徴や取引規模を推計。その結果、サプライチェーン企業(売上高の1%以上を依存している企業)は、国内に推計5319社あることが分かった。同社と直接取引のある「Tier1」は959社、2次下請けである「Tier2」が3387社だった。これらの企業に派生する売上高合計は推計1兆2621億円だった。
サプライチェーン企業を都道府県別に見ると、トヨタグループの“お膝元”である愛知県が2666社で1位。全体の50.1%と過半数を占めた。愛知県の企業に派生する売上高合計は推計8878億円で、同社がサプライチェーン企業全体にもたらす売上高の70.3%が同県に集中している。
業種別で最多は「製造業」の3030社で、派生する売上高は推計9105億円。そのうち「自動車部分品・付属品製造業」が211社で最も多く、他にも「金型・同部分品・付属品製造業」や「金属プレス製品製造業」「電気機械器具卸売業」など製造にかかわる業種が上位を占めた。
帝国データバンクの推計では、トヨタグループ17社を頂点とするサプライチェーン企業は国内に9万3030社、派生する売上高は23兆8776億円にも上り、今後の動き次第で影響を受ける企業は増大する可能性も考えられる。
関連記事
- 不正発覚しても、なぜトヨタの株は暴落しないのか
2024年に入って、トヨタグループ各社で不祥事が発覚し、その信頼性が揺らぐ事態を招いている。世界的な自動車グループの不正といえば、15年に発覚したドイツのフォルクスワーゲン社による排ガス不正問題が記憶に新しいが、トヨタグループは比較的、株価に影響がないようだ。なぜこのような差が生まれているのか、 - トヨタ自動車の豊田章男会長、相次ぐグループの不正に「絶対にやってはいけないことだ」
トヨタ自動車の豊田章男会長は30日午後、名古屋市内で記者会見し、グループの豊田自動織機やダイハツ工業などで不正が相次いでいることに関して「ステークホルダー(利害関係者)に迷惑をかけ、深く申し上げる」と陳謝した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.